弟が生まれた後の姉。

娘・R(2才)は息子・タク(生後1週間)が生まれてからというもの
今まで以上に僕にベッタリである。

嫁がタクにかかりっきりになってしまうことが多いからであろう。
僕までタクをチヤホヤしてしまうとRが嫉妬する恐れがあるので、
家にいる間はできるだけRをかまうことにしている。

とはいえ先週末の3連休はハードだった。朝から晩までRに引っ張り
回されたのである。ちょっとでも離れると

「パパー!パパー!」

と思いっきりでかい声で呼ばれ、ちょっとトイレに…と行っただけ
でもトイレの扉をガンガン叩かれ、ちょっと疲れたから…と横に
なっただけで殴られ、ちょっとマンガでも読もうかと本を広げると
叩き落され、ちょっとだけよーんとネットを繋げようとすると服を
引っ張られ、休む暇もなかった。

Rに要求されるがままに歌ったり踊ったり絵本を読んだり絵を描いたり
高い高いをしたりおんぶしたりだっこしたりその他オモチャで遊んだり
まさに密着の3日間であった。

過去付き合ったどんな女の子よりもこれほど濃厚に接したことは
ないだろう。

「うおーん、さすがにパパは疲れたよーん」

泣き言をこぼしても

「めーよ!パパ!!こっち!オイデ!」

Rは容赦なく僕を引きずり回し、嫁は

「パパパパ言われるのも今の内だよ、あはは」

したり顔をするのみで助けてくれない。しかし嫁の言う通り
でもあるので、力の限りRとのふれあいを楽しんだ。本当に
文字通りのふれあい。もうベタベタベタベタと何かにつけて
Rが僕に体を絡ませてくる。

抱きつくわ背中にひっつくわ股間に頭をねじり込ませてくるわ…
普通の男女に置き換えてみると、これはもう最後まで行ってよい
という兆候である。僕とRの仲は最強に強まったはず。そこで

「Rちゃん、パパにちゅーしてー」

と口説きにかかったのであるが

「めーよ!」

あっさり拒絶され、顔を背けられてしまった。何ということだ。
Rは心は許しても体は許していないようだ。

「あははは、あなた、臭いのよきっと」

一部始終を見ていた嫁は冷たく言い放った。この僕から加齢臭が
出ているというのか嫁!ちょっと話聞かせろ…と嫁に詰め寄ろう
かと思ったが、「うん、本当に臭う」と言われたら立ち直れない
だろうと恐れ、それ以上込み入った話は切り出せなかった。

ズケズケと遠慮なく言う嫁であることよ。何ということだ。
嫁は体は許しても心は許していないようだ。

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ボキャブラ地獄。

嫁が息子・タクを産んだので、産後の家事と育児を泊り込みで
手伝ってくれている僕の母。

何か僕にも出来ることがあれば、と母に言うと

「じゃあオリコン買って来て。夜退屈だから」

と来たもんだ。僕の母は最新のミュージックシーンを欠かさず
チェックしている。嘘である。単に氷川きよしの記事が読みたい
だけである。母のきよし好きは筋金入りである。こないだも台風
直撃にもかかわらずコンサートのため福岡まで行っていた。

そんな母でも家の中にいる人数が増えたせいか、娘・R(2才)が
急激に言葉を覚えて来ている。母も可愛がりながら色々と言葉を
教えているので、何を教えているのだろうかと僕も耳を傾けて
みたところ、母はRに向かって

「はい、おやまゆうえんち〜」

桜金造のネタを仕込んでいるではないか。

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(両手の親指を鼻に突っ込み、残りの指をウネウネさせるやつ)

「母さん!どうせ教えるならもっとまともなの教えてくれよ!」

しかし時既に遅し。

「おにゃま、うーえん、ちー」

しっかり覚えてしまっていた。しかも鼻に突っ込むのは親指なのに、

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仕草を絶望的に間違えてしまっている。母は何を考えているのか。

「3才の頃からフルートを習っておりました」

という経歴ならいかにも良家の令嬢っぽくて男心をそそり立たせる
ものがあるが、

「2才の頃から桜金造を叩き込まれました」

というのはどんな家だよおい。R、嫁に行けなくなったらばあちゃん
のせいだからな。よく覚えておけよ。

母は懲りずに尚もRにどうでもいいことを教え込ませようとしていた。
件の僕が買って来たオリコンを広げながら

「Rちゃん、コレ見て〜」

とRを手招きし、

「これは氷川きよし君。きよし君よ。さあ言ってみて〜」

ろくなことを教えない。頼むからもっとマシなことを教えてくれ…。

翌朝、母は寝起きざま

「あれ?お母さんのメガネ知らない?メガネメガネ…」

氷川きよしフリークは、朝はやすしきよしになるようである。
(ネタが分からない人はご両親に聞こう)

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千七夜物語。

嫁の父母がやって来た。息子・タクの「お七夜」をするためである。

お七夜とは子供が産まれて1週間前後にするお祝いで、奉書紙に
「命名:○○」と書いて神棚に貼り、あとは…えーと、飲んだり
食ったりする。早速「命名:タク」と書いたところ嫁父が

「うーむ。名前はいいが、字がいかんなあ。○○じゃなくて××と
 したらどうか」

いきなり今回のお七夜の段取り、及び嫁の命名を根底から覆す発言。

「いや、その字だと難しいし、僕も書けないし」

酒飲ませてうやむやにしてしまおうと、とりあえずビールを注いだ。

「じゃあビデオカメラで撮影するよー」

僕がカメラを握って撮ろうとしたのだが、デジカメはしょっちゅう
使っているのにビデオは数えるほどしか回したことがなく

「えーと、スタートボタンは…」

と迷っていたら

「もういい!」

嫁にひったくられ、

「はーい。今日はタクちゃんのお七夜ですよー」

嫁のナレーションと共に撮影開始。

「いえーい」

一同、思い思いのポーズを取る。

「…」

「…」

「…」

「ちょっと。ビデオだから固まらなくていいのよ」

「あ、そうか」

揃いも揃って間抜けな一族達の個々の血が漏れなく流れている
タクと娘・R(2才)が不憫でならない。

嫁父はあまり酒が強くはないので次第にほぐれてきて、更にタクを
抱いてご満悦。いい感じになって来たところでRがトドメとばかりに

「じーちゃん、じーちゃん」

初めて「爺ちゃん」と呼んでみせたところ、

「ほおおおお!」

嫁父はおしっこを漏らした幼稚園児のように体をプルプルと震わせ、
真っ赤な顔でエクスタシーに浸っていた。ナイス急所攻撃。いいぞR。
クリティカルヒットで嫁父はもうダメだ。

こうしてタクのお七夜は終わった。あとのお楽しみとして、
出産後の嫁とのお初夜を今か今かと待つばかりである。

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第三の子供。

息子タクの出産は嫁にとって会心の出来だったようだ。

娘・R(2才)の時も嫁なりに出産の知識を得、万全の体勢で
臨んだつもりであったが、七転八倒の失態を晒し、助産婦に
怒られ最後は吸引までされて産んだ結果となったことに比べ、
今回は僕から見てもまさに会心の一撃。会陰の一撃ではない。

入院から2時間程度で産み、2泊3日で退院するという「お前は犬か」
と言いたくなるぐらいのちょっ速出産を成し遂げた嫁は、その
結果に大変満足し

「ああ、あとひとり産みたいわあ」

悦に浸ながらとんでもないことを言った。

「3人の子供なんて大変だよ!僕はもう一姫二太郎で充分…」

僕は悲鳴をあげた。考えただけで体力と懐具合がと親の脛が
すり切れる思いだ。

「だって…あの産んだ時の感動をもう一度味わいたいの」

「感動は一瞬だけど、産んだ後の責任は一生だよ」

当たり前である。扶養家族を抱える世帯主の立場から言わせて
もらえば、射精一秒扶養一生である。

「えー。でも欲しいわあ。男でも女でもどっちでもいいから」

そんなおねだりされても…。僕の子種は吐いて捨てるほど、
しごいて出して捨てるほど、あふれ出す煮汁の如く豊潤だが。

ぽっぽっぽー。ちんぽっぽー。
たーねが欲しいかそらやるぞー。
みんなで仲良く孕むがいい!

というわけにはいかないのである(みんなって誰だよ)

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メッセージお礼/至急黄疸化現象。

このたびは息子が産まれてのお祝いメッセージを沢山頂きまして
ありがとうございます。まだまだ全ての方にお返事できてないの
ですが、まずこの場でお礼をさせて頂きます。

あいちゃん…TIME LIMITE
赤井ファンさん
朝日さん…Spiritual-スピリチュアル-出会い結婚相談所
あちゅさん…地球を歩く。
あまみさん
ありーささん…にゅるぶ
RH
あるま。さん
犬神さん…救えない神様
いろはさん
うすたん…まむ。
宇多田 理恵さん…陶芸教室&ギャラリーおいしい器
江草 乗さん…江草 乗の言いたい放題
mさん
えりこさん
大野さん
おすかるさん…夕食ばんざい。
鬼ばば母ちゃん…4人の子供と鬼ばば母ちゃん
鬼嫁さん
obasanjoさん
かえでさん…ワタシニッキ※メールが戻ってしまいますのでアドレス教えて下さい※
かおり+さん…kor+
かめのさん…KAMENON45
かめをさん…桃戯右士.com
かよよんさん
臥龍さん
かをさん…その日暮らし?
かんちゃん
きゃり〜さん…carry's world
きょうこさん…p-diary
倉野さん
クリスティーヌ剛田さん…** はは侍 **
KFさん…KFの暇つぶし
小泉純一郎さん
コタクリさん…コタクリ
ゴローさん
sainoさん…お気楽猫の戯言
Sasaさん
さふぁい☆あさん
さやかさん
しい子さん…十人十色しい子色
しゅいさん
しろうささん…Rabbit Garden
素光さん…憂鬱な昨日に猫キック 不安な明日に猫パンチ
高沢 浩里さん…むすこみっく
タカシ君
橘七花さん…*SEVEN FLOWERS*
たもつさん…人生の音色
ちあきちゃん
ちかさん…simple * photo
ちひろさん
チヨさん…おきらく極楽主婦の育児絵日記
Dさん
テトさん…テトの恋愛日記
でーるさん…たった一人で。。。
ときすけさん…tokisukeの日記
naga.さん
ななこ…ななこ☆日記
猫スキーさん
羽奈ちゃん…夜空の翼
はなぽさん…エキセントリックなお方。
バニラさん
HARUKIさん…HARUKI's web site
びたさん
ぴっきーさん…ぴっきー×ぴっきー
ぴょんさん…ぽかぽかの絵日記
ふうさん…しびれくらげ
firebugさん
藤原さん
ふとりさん…こかげでひるね
ぺどよめたかこさん…ペドロの日記
ぽろんさん…降る日晴れる日
マッスル++さん…〜 ダイエット日記(マジ) 〜
まいさん…couchers de soleil
まっつーさん
manet@dreamcityちゃん
まの…ぴーかんTIME
まりえ。さん…くびれ維持願望
ミキさん…私らしく
めぐっぴ。さん
妄想アウトローさん
望月君…Wonderful World
桃香さん…ももいろきろく
もりたまさん
もんぺちゃん
Yasさん…Simple-憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向日記-
やっしさん
ゆかさん…monchi
ユキちゃん
ゆきやなちゃん…白いシーツと赤い包帯。
ゆちこさん…Jack In the Box
ようこさん…ようこりんご
ヨシミさん…バーチャルネットストーカー・ヨシミ22歳
よしみさん…キミノテノヌクモリ
yossyさん…hakomeshi
りこ…りこの出来事。
ルチアーノ・パヴァロッティさん

以下日記↓


仕事中、携帯に嫁から驚くべき画像メールが送られて来た。

緑色に光るベッドに横たわる息子・タク(生後5日)の姿が
そこにあった。まるで宇宙人によってUFOの中に攫われたかの
ようではないか。体の中に変な物体を埋め込むインプラントを
されてしまったりして。そしてそのせいで将来インポテンツに
なりお家断絶。そして追い討ちとばかりに矢追純一が取材に
来たりして…何故うちの息子がそんな目に!とオカルティックな
方面に混乱したが、メールをよく読むと違っていた。

タクは黄疸になってしまったのである。助産師が家に診察に
やって来て、数値が少し高めなので光線療法を採ることになり、
この特殊なベッドを置いて行ったのであった。

新生児の黄疸はよくあることで、1週間ほどで治ることが多い。
長女・R(2才)もそうだった。だからそれほど心配すること
でもないと思う。いや正直言って心配だけれども、こういう時は
努めて明るく振舞うのである。何かあればすぐ助産師も来てくれる
から、だ、だいじょうぶだよ…。嫁のメールは

「タクが黄疸になっちゃった…でもこのベッド、ちょっと
 カッコいいかも?」

などと心配してるんだか浮かれてるんだか理解に苦しむ文面で
あった。

家に帰ってみるとなるほど、タクは蛍が沢山集まったような緑色の
ぼうっとした光に包まれて寝ていた。顔や目がやや黄色い。

「嫁、大丈夫なのか?」

「うーん。若干ビリルビン値が高いから…ってことらしいんだけど。
 でもおっぱいも沢山飲んでるし」

「確かにサイバーな感じでカッコいいな、コレ」

「でしょう?」

新生児の黄疸には陽の光を当てると良いという。

「ということは、これって日焼けサロンといっしょ?」

「そうかもねアハハ」

「アハハハ」

タクが黄疸で苦しんでいるかもしれないのに呑気な僕ら。そんな親は

言語黄疸、と怒られたりして。

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