ボキャブラ地獄。

嫁が息子・タクを産んだので、産後の家事と育児を泊り込みで
手伝ってくれている僕の母。

何か僕にも出来ることがあれば、と母に言うと

「じゃあオリコン買って来て。夜退屈だから」

と来たもんだ。僕の母は最新のミュージックシーンを欠かさず
チェックしている。嘘である。単に氷川きよしの記事が読みたい
だけである。母のきよし好きは筋金入りである。こないだも台風
直撃にもかかわらずコンサートのため福岡まで行っていた。

そんな母でも家の中にいる人数が増えたせいか、娘・R(2才)が
急激に言葉を覚えて来ている。母も可愛がりながら色々と言葉を
教えているので、何を教えているのだろうかと僕も耳を傾けて
みたところ、母はRに向かって

「はい、おやまゆうえんち〜」

桜金造のネタを仕込んでいるではないか。

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(両手の親指を鼻に突っ込み、残りの指をウネウネさせるやつ)

「母さん!どうせ教えるならもっとまともなの教えてくれよ!」

しかし時既に遅し。

「おにゃま、うーえん、ちー」

しっかり覚えてしまっていた。しかも鼻に突っ込むのは親指なのに、

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仕草を絶望的に間違えてしまっている。母は何を考えているのか。

「3才の頃からフルートを習っておりました」

という経歴ならいかにも良家の令嬢っぽくて男心をそそり立たせる
ものがあるが、

「2才の頃から桜金造を叩き込まれました」

というのはどんな家だよおい。R、嫁に行けなくなったらばあちゃん
のせいだからな。よく覚えておけよ。

母は懲りずに尚もRにどうでもいいことを教え込ませようとしていた。
件の僕が買って来たオリコンを広げながら

「Rちゃん、コレ見て〜」

とRを手招きし、

「これは氷川きよし君。きよし君よ。さあ言ってみて〜」

ろくなことを教えない。頼むからもっとマシなことを教えてくれ…。

翌朝、母は寝起きざま

「あれ?お母さんのメガネ知らない?メガネメガネ…」

氷川きよしフリークは、朝はやすしきよしになるようである。
(ネタが分からない人はご両親に聞こう)

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