練馬発の夜行自転車。

娘・R(2才)に買った自転車が家に届いていた。

Rが寝ている間に枕元にそっと置いてやるにはでか過ぎたので
今年はクリスマスプレゼントっぽい演出は出来なかった。Rは
夜だというのに自転車を早速家の中でいじくり始めてしまった
ので、なし崩し的に1週間以上前倒しのクリスマスプレゼントと
なってしまった。

「ぱぱー!ぴかちゅうー!」

どうやらRは自転車の前面のカゴにピカチュウのぬいぐるみを
乗せないと気が済まないらしく、僕にピカチュウを取って来させ、
ぎゅうぎゅうと無理矢理カゴに突っ込んだ。このピカチュウは
Rが生まれた時からずっと側に置いておいたので、Rは自分の弟か
子分ぐらいに思っているらしい。

おむつを替える真似をしたりゴハンを食べさせたり色々世話好きな
面を見せている。Rはいつも自分がされていることをピカチュウに
やってやりたいのだろう。自転車も僕がいつもRをチャイルドシート
に載せているので、それの真似のようだ。

ピカピカの自転車を転がしてRは嬉しそうだった。勿論自分で
ペダルを踏んで進むことなど出来ないが、またがったり降りたり
ハンドルを持って転がしたり…と夢中。

ああ、買ってやってよかった…考えてみればこの自転車は、僕が
乗っている西友で買ったママチャリよりもずっと高い。親になる
というのはこういう事なのか、と様々な思いが重なって瞼が熱く
なった。

子育てには金と愛情を幾らかけても足りないという事はないのだ。
子作りにはアレを量りきれないほど嫁にかけたが(量ったら怖いが)
アレのように金は無尽蔵に湧いてくる訳ではないので難しいところ
である。

Rがエッチラオッチラ自転車を動かしていた。慣れるまでまだ相当
時間がかかるであろう。カゴのピカチュウは何度もコロコロと落ち
てしまうのだが、その度に

「ぱぱ!ぴかちゅう!」

と僕に取れ!と命令するので

「自分でやったんだから自分でピカチュウを起こしてあげなさい」

厳しい態度で出たところ

「めー!ぴかちゅう!ぱぱ!ぴかちゅう!」

僕よりずっと厳しい口調で跳ね除けられてしまった。

「はいはい、しょうがないね、もう…」

Rが自転車に慣れるより僕が高飛車に慣れてしまったようである。
.
.

息子のファーストクリスマス。

「タクにもクリスマスプレゼントを買ってあげようよ」

娘・R(2才)へのプレゼントを買った後、息子・タク(2ヶ月)
にも平等にあげるべきだ、と嫁が言った。

それは僕も考えていたことである。しかし生まれて初めての
クリスマスを迎えるタクはまだ2ヶ月で、おもちゃを与えても
全くのノーリアクションなので意味がないかなあ…と思って
いたのだ。

「でもRの生まれて初めてのクリスマスには、ネックレス
 買ってあげたでしょ!」

「うん。そうなんだけどさあ」

男にとって長女は人生最大の恋人である、と言われるが全く
その通りで、僕は大本命の恋人を口説き落とすぞ、ぐらいの
本気モードでプレゼントを物色した結果、気付いたら宝石店で
買ってしまっていたという訳である。

Rを作成するときに迸らせた本気汁を、クリスマスでも出し
まくってしまった形だ。それにRはクリスマスの時には生ま
れてから4ヶ月経っており、物をいじくるぐらいのことは
出来ていたのである。

「それでもやっぱり買ってあげようよ。ミニカーとか」

「そうだね…かわいそうだもんな。でも速攻でRに奪われ
 そうだけどね」

まだ物欲を知らないタクの唯一の持ち物は「おしゃぶり」
であるが、これですら

おしゃぶり娘

Rに強奪されこの通りである。Rの初めてのクリスマスとは
違い、姉という妨害人物がいるタクは果たして無事にクリス
マスプレゼントを手に入れることが出来るのか?

願わくばRには、星飛雄馬を柱の陰からそっと見守る明子姉ちゃん
のような慈しむ目で見てやって欲しい。

ストーカー娘

ってそれじゃストーカーだ。
ヨシミさんみたいだな。 →※ヨシミさん
.
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クリスマス恥部。

池袋のおもちゃ店・トイザマス(仮名)に娘・R(2才)の誕生日
プレゼントを買いに行った。他の買出しもあったので嫁もRも
息子・タク(2ヶ月)も一緒で一家総出。

Rのいるところでプレゼントを買ってしまうと、サンタさんが
プレゼントしてくれたー、とかの演出が出来ないのであるが…
仕方あるまい。

トイザマス店内に入ると、早速Rが大好きなアンパンマンの
おもちゃがずらりと並び、

「あんまん!あんまん!」

Rは大喜びであった。さすが子供に人気が高い物を最前線に陳列
するトイザマスの謀略はさすがザマス。でも高いザマス!幸い
Rは駄々をこねない子なので、目移りすることなく目的の物を
目指してまっしぐら。

今年のプレゼントは自転車にすることに決めたのだ。嫁と三輪車
にするかどうか迷ったが、三輪車はどうせすぐ卒業してしまう
だろうとの嫁の考えで、3輪を飛び越えて2輪にすることにした。
尤も僕はどちらでもよく、2輪や3輪より乳輪の方が好きであった
ので、乳輪車というものはないか?と思ったらあるわけなかった
ので自転車でいいやと思った次第。

トイザマスの自転車コーナーは広かった。そこは自転車や三輪車
や、足蹴り車(↓のようなやつ)を試乗できるのであった。

車

僕らがどの自転車にするかを選んでいる間、Rは特にこの車が気に
入ってしまったらしく、ずっと乗り回していた。もともとRは女の子
なのに車や電車といった乗り物が大好きである。駅などに行くと

「きいろ!あお!ばいばーい!」

それぞれの色の電車が通る度に大喜びして声を上げる。車も大通り
などに出ると

「ぶうぶ、いっぱい!」

とこれまた大喜びなのである。今でこそ「きいろ」とか「あお」で
済んでいるが、その内「E954型」とか「700型」とか言い出す鉄子
(鉄道マニヤ女)になりやしないかとパパはちょっぴり心配症。

さて、Rが乗っている車の値段を見ると何故か自転車より安い。いっそ
のことこれをプレゼントにしようか…とも考えたが、こんなでかい物
家に置いておけないし、

「自転車に慣れた方が一生役に立つんだよ、R」

との親心でミッフィーのイラストが描かれた自転車に決定。

「さあRちゃん、帰るよ〜」

ずーっと車に乗って遊んでいたRを連れて帰ろうとしたところ、

「いやあああ!ぶうぶ!ぶうぶー!」

なんと今までアンパンマンおもちゃの前でも駄々をこねたことが
なかったRが、初めて帰るのを嫌がった。初駄々である。ネオダダ
みたいだ。周りの家族連れたちの視線が痛い。ああ、駄々こねられた
時ってこういう風に見られるのね。お恥ずかしいところをお見せして
おります…と早々に退散。しかし、初めておねだりした物がおもちゃ
とはいえ車だとは、末恐ろしい娘である。僕だって持ってないのに。

もしRが乗り物好きのまま大きくなって

「パパ、クルマ買ってー」

などとおねだりするようになったらどうしよう。

クルマを買ってやる代わりに、Rが履いた
ブルマと交換してくれる、っていうならパパ考えちゃう。
.
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挽き肉を切らせて夫を断つ。

土曜日にラーメンを食べた事は日記に書いた。その時僕は
餃子も一緒に食べていた。

そして日曜日は池袋に買出しに出掛け、その時超有名ラーメン店
「青葉」の前を通りかかったので

「嫁〜。青葉だよ。わりと空いてるからすぐ入れそうだよ」

ラーメンは好きなので、連日のランチになろうとも一向に構わない
僕は、嫁を誘い込もうとしたのだが、

「えー昨日食べたし。せっかくの青葉なんだからまたにしようよ
 連日だと感動が薄れるわ」

とのことであまり乗り気でなかった。昼は青葉で夜は松葉崩しで
しっぽり、と行きたかったが

「うん。そうだよね。連続はきついよね」

と嫁の意見を受け入れた。

次の日、仕事から帰って来ると、家の中がニンニクの匂いで充満
していた。これはまさか…嫁が作っておいてある夕飯のおかずを
覗いて見ると、やはり餃子であった。

「あの、嫁…今晩は餃子ですか」

「うん!」

「僕、土曜日に食べたばっかりなんだけど」

「そうだね!」

そうだねってアータ…。

「僕は連日ラーメンはやめようって昨日は青葉を諦めたのに
 そりゃないよー」

と、ネチネチと抗議したのだが

「挽き肉を処理したかったの!」

ピシャリと一喝されてしまった。はい。喜んでいただきます。

この日の餃子の皮はとても固かった。すっかり厚みがついた嫁の
面の皮のように…
.
.

ドッグイヤーン。

某友人Tさんから

「Rちゃん(僕の2才の娘)のコスプレにぴったりのものを
 送ります。来年の年賀状写真にいいかも〜」

というメールが入り、翌日このような物が我が家に届いた。

シロ

これは…「クレヨンしんちゃん」に出てくるペットの犬「シロ」の
着ぐるみである。来年は戌年だから、これをRに着せて年賀状
写真にすれば、なるほど日本一親馬鹿な年賀状が出来そうで
ある。

しかし…残念な事に、Rに着せるにはでかすぎたのである。
およそ全長100センチぐらいはあるだろうか。ところがRの
身長はまだ80センチ代なのだ。そんなわけで

「すいません。着せるのにあと2〜3年待ってください」

とTさんにお礼とお詫びのメールを出し、この着ぐるみは
しばらくお蔵入りになるかと思えた。

思えた…のだが…僕の心の中の「娘にコスプレさせたい魂」が
むくむくと湧き出でて、

「R、着てみる?」

とチラつかせてみたところ、

「着うー!」

犬の着ぐるみに猫まっしぐらで飛び込んで来た。

「はい。じゃあパパがコスプレさせてあげるからね。うへ。
 うへへへへ」

犬娘

そして着用完了。やはりでかい!袖が余りまくりで足の裾も
忠臣蔵の松の廊下並みに引き摺りまくっていた。それでもRは
結構ノリノリであり、

「さあお前は犬だ。跪いてワンとお言い!」

僕のサディスティックな扱いにも

着ぐるみ

「わん!」

と、それはもう無邪気で元気な鳴き声を上げたので、僕自身の
汚れた心を大いに恥じることとなった。そういった心の穢れが
晴れるほどの可愛さに心を奪われること暫し。

「Rちゃん。僕のハートを盗んだ泥棒猫、いや、泥棒犬…」

と魅入っていたところ、やはりだぶだぶの着ぐるみに苦しさを
感じてきたのか

メソ

徐々にメソメソとベソを掻き始めたので、

「はい頑張ったね」

短い時間であったが脱がせることにした。これでRのコスプレの
レパートリーがまたひとつ増えた。これまでのRのコスプレ歴は
セーラー服・チャイナ服・トナカイ・サンタ…そして今回の犬、
と場末盛り場のキャバクラ嬢並みのキャリアを持つことになった。
自慢できることではないが…単に僕のフェチズムが露呈されて
いるだけであるが…。

Tさんは時々ひょんなタイミングでこのような変な…もとい、
ありがたい物を送ってくれる。今回も面白い…もとい、

後姿

尾も白い物をありがとうございました。
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