麺類は皆友達。

近所のラーメン屋で昼飯を食うことになった。

歩いて2分のその店は、最近開店した新しい店で、美味いとの評判が
既に出ていたのだけれども、開店早々店主が怪我をしてしまい、

「足の肉離れのためにしばらく閉店します。ごめんなさい」

みたいな貼り紙がされていて、肉離れで客離れしなければいいがと
他人事ながら心配していたのであった。そしてようやく最近営業を
再開したようなので行ってみることにしたのである。

僕は娘・R(2才)の手を引いて、嫁は息子・タク(2ヶ月)を抱いて
店内に入ると、まだ若い店主がきびきびと働いている。

「もう足は大丈夫なんですか?」

「ええ、まだ痛むんですけどねえ」

とのことであったが、待ち侘びたラーメンはとても美味かった。
もともと麺類超好きのRも、

「らーめん、おいしいねえ」

かなりの量をバクバクと食べていた。

僕らの他にいた客はすぐ近くの高校から学校帰りに立ち寄った
高校生が殆どで、それを見た嫁が

「私なんて学校帰りの買い食いなんて50円コロッケとかだった
 けどなあ。ここのラーメンだって結構するし、最近の高校生は
 お金持ってるんだなあ」

などと羨ましがっていた。

「そうか?僕もたまにラーメン屋寄ってたよ。毎日ってわけじゃ
 ないし…」

と僕が言うのだが

「そうかなあ…いいなあ…贅沢だなあ」

いまいち納得せず、恨めしい目で高校生達を見ていたのであった。
嫁の高校時の懐具合はちびまる子ちゃん並の貧しさだったので
あろうか。

ちなみにその近くの高校は、毎年何十人も東大に送り込んでいる
スーパーエリート高校なので、

「羨ましいなら、彼らが社会に出て手が届かないステイタスに
 就く前に今のうちに殴っとくとか。ははは…」

などとデンジャラスな冗談を言ったら

「ははは…」

嫁は乾いた笑い声を上げていた。

ラーメン屋で切り捨て御麺。
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母娘乳。

娘・R(2才)が、弟である息子・タク(2ヶ月)を指差し、

「ぱぱー、あっくん。あっくん(タクのこと)」

タクを自分の膝の上に乗せろ、と僕に指示をするので

「んー?タクをダッコしたいの?」

と、その通りにタクを乗せてやると

「あっくん、おっぱい」

なんとRは自分の上着をめくり上げてタクにおっぱいをあげ
ようとするではないか。嫁の真似をしたいらしい。

「あはは、さっきおっぱいあげたばかりだからいらないわよ」

しかしRは嫁の言うことも聞かず、タクはRの胸に顔を無理矢理
ぎゅうぎゅうと押し付けられる格好になってしまい、

「ふえええええ」

とてつもなく困った顔を僕に向けて救いを求めてきた。タクは
姉の乳の出ないペッタンコの胸などはどうでもいいらしい。
しかし僕は違った。

「Rちゃん、パパにおっぱいちょうだい」

抵抗できないタクの身代わりになってあげよう、ていうか僕に
授乳プレイをさせろとばかりにRに言ったところ、

「はい、ぱぱ、おっぱい」

Rは僕の顔をばふっと押し付けたのであった。ああ、娘の胸に
顔を埋められる幸せよ。温泉のようにじわーっと至福感が体に
染み入る。娘を作ってよかった!

「あんたらナニやってるのよ!エロい!」

僕らの姿を見た嫁が悲鳴を上げた。果たしてそうなのだろうか。
親子の関係として許されざるプレイなのだろうか。誤解なきよう
書いておくが、Rの生乳を吸ったわけではない。Rは上着を脱いだ
とはいえ、もう1枚肌着を着ているので別に乳首を貪ってるとか
そんなんではないのだが…。

ほのぼのとした親子の触れ合いとして受け取って欲しい。

いずれにせよあと10年、いや5年後には

「パパにおっぱい吸わせて」

と言っても

「死ね」

とか言われるに違いないので今の内に吸っとけ、という目論見である。
逆に僕が刺激をしてあげればRの胸はものすごい勢いで成長し、僕の
夢であるロリ巨乳の娘を育てる、という野望に一歩近づくことになる。

それこそエロであるな。

ともかくRの胸には破乳首の勢いで成長してもらいたいものである。
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父のモーニングコール8:00AM。

朝、会社に行く時には娘・R(2才)に「ぱぱ、ばいばい」と
手を振って見送られたい。

しかしこのところRの起きる時間が遅いのである。放っておくと、
僕が家を出る時間まで寝ている。これでは見送ってもらえない。
ああ我が家の眠り姫よ。寝る子は育つとはよく言うが、起きる
父は巣立つのだぞ。夜帰ってくるけど。

そうなれば王子様のキスで起こすのが王道である。ちなみに結石が
落ちてくるのは尿道である。え、誰が王子様だって?僕である。
三十路を過ぎたからといって王子を名乗って悪いわけがない。千代
田区にお住まいの我が国のやんごとなきお家の王子様は皆僕より
年上だ。問題ない。

しかしRはうつ伏せで寝ており、キスをすることが出来なかった…。
意外とガードが固い娘。こうなれば後は揺さぶるしかない。

「Rちゃん、起きてー。朝ですよー」

父による優しいモーニングコール。背中をちょいちょいとさすって
起こしてみた。するとRはモソモソと反応を見せたが

「ごめんなしゃい!」

僕の手を振り払ってまた寝てしまった。いきなりゴメンナサイ
とは、告白してないのにフラれた気分である。ああ、中学の頃
告白したナオミちゃんにも同じこと言われたっけ…今何してる
かな…。

などと郷愁モードに入ってしまったが、もう会社に行かないと
ヤバイ時間であった。えーと、何してたんだっけ。おおそうじゃ、
Rを起こさないと。

「Rちゃん、起きてください」

もう一度Rを起こすと、今度はRはむっくり起き上がった…と
思ったのも束の間、

「おやすみんしゃい」

ピョコンとお辞儀をしてまた寝てしまった。もう朝だっつの!
息子・タク(2ヶ月)はとっくに起きてホゲホゲ言ってるのに。
いよいよ時間がなくなった僕は、Rの見送りを諦めて

「じゃあね子供たちよ。ばいばい」

声だけ掛けて家を出ることにした。すると、寝ているRがうつ伏せ
のまま手だけヒラヒラと振っているではないか。眠いなりに必死に
見送ってくれてるんだね。偉いぞ。一方では単なる寝ぼ助ではない
のか…とも思ったが僕はそれでよしとした。

こうして僕は辛うじてRのお手振りによる見送りだけはしてもらい、
労働意欲に燃えて仕事に行くのであった。

父のバーニングコールというお話でありんした。
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息子を落下させた嫁。

夜、寝床で嫁がショボーンとしながら告白した。

「今日、タク(2ヶ月)を床に落としちゃったの…」

昼間、児童館で娘・R(2才)を遊ばせており、帰り際Rに声を掛け
ようとした時にタクがずるっと嫁の腕の中から落ちて行ったらしい。

「だ、大丈夫なのか?」

「タクは大泣きしたんだけど…周りのママ友が皆集まって来て
 『すぐ泣いたから大丈夫!』とか『今日吐かなければ大丈夫』
 とか励ましてくれたんだけどおおおお」

嫁は今にも泣きそうな顔で今日の出来事を述べた。嫁の慌てぶりが
目に浮かぶようだ。勿論僕だってその場に居合わせたらどんなに
動揺してしまうか分かったものではない。速攻で救急車を呼んで
しまいそうだ。嫁のママ友達に感謝である。

当のタクはすやすやと何事もなかったように眠っている。幸い吐く
こともなく、今のところ大丈夫のようである。嫁は情けない表情で

「ゴメンネゴメンネ」

寝ているタクに謝っていた。しかしそんなに自分を責めることも
よいと思った。無論僕も責めることは出来ない。育児にトラブルは
付きものであるし、Rとタクふたりも抱えてると絶えずドタバタして
いるのだろうし。

僕もRを「高い高い」した時に照明にRの頭をゴンとぶつけた時が
ある。あ、でもその時は嫁に猛烈に怒られたなあ…おかしいなあ…。

ともあれ、取り敢えず無事なタクの寝顔を眺めながら、

「落とされて災難だったねえ…」

と頭を撫で撫でしながら「タクの落とし子」などというどうでも
よい駄洒落を思い浮かべたのであった。
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眠れぬ森の幼女とオヤジ。

■お知らせ

バーチャルネットストーカー・ヨシミ22歳さんの定期的ストーキングです。12月5日の記事にあります。

■お知らせオワリ

ちょうど娘・R(2才)が寝るか寝ないかという時間帯に仕事
から帰って来る時は緊張を伴う。

せっかく嫁が寝かせている時に僕がバァーンと家の中に入ろう
ものなら、Rはパッチリと目を覚ましてはしゃいでしまうので
嫁の苦労が水の泡になるのである。

なので今日はそーっと音を立てないように帰って来たのだが、
玄関に足を踏み入れた途端

「ぱーぱー!」

Rのとんでもないでかい声が響き渡った。何故気付かれたの
だろう。ばれてしまったからには仕方あるめえ、とドスドス
寝室に入って行ったところ、

「ぱぱー!Rちゃん、おうち!Rちゃん、おうち!」

Rは寝床から飛び起きて「アタシはここ、家にいるのよ!」と
自分の存在をアピール。そして

「とんぴん、とんぴん」

お遊戯教室で習った踊りを始めてしまった。夜中のワンマン
ライブの始まりである。息子・タク(2ヶ月)はそんな騒がしい
姉のせいで眠れず、目をパチクリさせている。僕の帰りをRが
喜んでいる様を見るのは、僕としてもこう、胸が締め付けられる
程嬉しいことであるが、それでも1時間近くも暴れられてしまうと
いい加減寝てくれよ、という気持ちにもなるので

「R−。もー寝なさいよー」

嫁とふたりで布団に入れさせようとするのだが、Rはなかなか
言うことを聞かず相変わらず踊りのワンマンリサイタル。

「ほら、パパ寝ちゃうよーん」

僕も取り敢えず横になって寝たフリをすると、

「ばちーん」

Rが「私のダンスを無視するな」とばかりに思いっきり顔面を
ビンタしてきた。

「いってええええ!」

ジャイアンリサイタルかこれは!

Rは平気で僕の顔をを引っ叩くようになった。いつの間にか手癖の
悪い娘になったものだなあ…と嘆いたのだが、嫁に聞いたところ
では、嫁やタクにはそういうことをしないのだという。

何故僕だけがやられキャラなのか…と、憤慨するところであった
けれども、その後すぐRは

「ぱぱ、あっこ(ダッコ)」

と両手を広げて甘えて来たので、おおそうかよしよしと抱き締めて
しまうのであった。

これが飴と鞭というものであろうか。それともツンデレ?
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