おばさんに一目散
どこかに食べに行くべ、と外食をすることになった時、
「Rちゃん、何が食べたい?」
娘・R(4才)に聞いてみると
「おむらいす!」
という答えが返ってきた。彼女の答えはいつもオムライスかお子様ランチかのどちらかである。息子・タク(1才)も
「たっくんも、おむらいす、たべたい!」
Rに同調したため
「じゃあ『obasan』に行くか」
近所の洋食屋『obasan』に行くことにした。ここはオムライスが美味い。美味い上に量が多いし安い。大盛りオムライスを頼めばRとタクが食べるぶんを分けても充分足りる。
「じゃあ私は『ハヤシドリア』にしようかしら」
ハヤシライスのドリアという一風変わったメニューに惹かれた嫁。じゃあオムライスの大盛りとハヤシドリアを…と店員に頼むと
「オム大いっちょう、ハヤドリいっちょう!」
と大声で厨房に伝えるので僕は思わず
「ハヤドリって…ハメ撮りか!」
と口走ってしまい、「しまった」と周りを見回した。嫁は無視し、隣の席の中年夫婦らしきふたりも僕に目を合わそうともせず黙々と食べ続けていた。恥ずかしかった。
オムライスはトロトロフワフワの卵が大変美味しく、ハメ撮り、じゃなかったハヤシドリアも焦げ風味が効いててこれも美味い。Rもタクも呪われたようにバクバクと食べていた。
厨房の中にはふたりの「obasan」が目まぐるしく料理していた。チャキチャキと働き、美味しい料理を提供してくれる。オバサンと言われると眉をしかめるご婦人もいるけれども、自ら「obasan」と名乗るここの方々は、「オバサン」のイメージを素晴らしいものにしているのではないだろうか。
僕は若い女の子から「おじさん」とか「おやじ」とか「エロオヤジ」などと言われるが、それは自分のカルマのせいなのだから…そんなことを考えながら腹を満たして店を後にした。
家に帰ると、タクが何を思ったのか
「みてみてー。おばさん」
なんかタイムリーな一発ネタを披露していた。タクにとっては頭にほっかむりしたのがおばさんのイメージのようである。しかしそれはおばさんではなくオバチャンである。
「やっだーもー。たっくんナニやってんのよー」
僕はKABA.ちゃんになってしまった。
問題:このお店では小さいオムライスのことをなんと呼んでいるでしょう?
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