2007年06月25日
あ、くまのささやき
歌舞伎町のコマ劇場で氷川きよしコンサートを観る母親を新宿まで見送った僕と娘・R(3才)。
母と別れた後、Rがしょぼーんとしていた。
「ばあちゃん行っちゃって寂しくなっちゃったかな?」
「うん」
その姿が恋人と別れた後の少女のような、いとしさとせつなさと心細さを感じさせられ、新宿の雑踏の中に消え入ってしまいそうな気がしたのでたので、
「よしよし、パパがおんぶしてやろうなあ」
半ベソRを背負って歩いていたら、ゲーセンを通り過ぎたところで
「あっ、くまちゃん!」
とRが叫んだ。「ぼくはくま」のぬいぐるみがUFOキャッチャーに入っていたのである。
「ぼくはくま」とは「みんなのうた」で流れていた宇多田ヒカルの曲で、Rも息子・タク(1才)も大好きな歌。
ゲーセンはかつて僕が入り浸っていた場所。ビートマニアやダンスダンスレボリューション(DDR)を極めてブイブイいわしていた過去がある。
近頃はアメリカの軍隊訓練を取り入れたダイエットが大流行と聞く。なんでもその指導者が最近来日した際、何百人もの信者が「隊長!」「隊長!」と成田空港に殺到したという。
すなわち「ビリーズ暴徒キャンプ」であるが、そんなことをしなくてもDDRで体脂肪率1ケタになっていた。
そんな僕であるから「ぼくはくま」ぬいぐるみもあっさりゲット。Rの背の半分ぐらいあるかなり大きなものであった。Rもようやく上機嫌になり
「ぼくはくま、くま、くま、くまー♪」
と歌いながら家に帰った。それからが大変だった。タクも
「んま、んま、んまー!」
と大変エキサイトし、Rとくまの奪い合い。
「Rちゃんといっしょにねるの!」
「たっくんも!たっくんもー!」
ここは火種を持ち込んでしまった父が仲裁しなければなるまい。この子達の火種と子種はメイドイン僕。見事な大岡裁きにて治めてみしょう。
「んーんー。んんんんー」
大岡越前のテーマを口ずさみながらRとタクの間に割って入って
「まあまあ、ここは間を取ってパパと一緒に寝よう」
「やだ」
「やだ」
なんの解決にもならず一件未落着。争い疲れて共倒れし、ようやくふたりが寝静まった後、改めてくまのぬいぐるみを手に取り、付いているタグを見てみた。
「NHKみんなのうた ぼくはくま まくまくん」
まくまくん、という名前なのか、ふーん、と裏面に書かれた注意書きを見てみると
「誤飲のおそれがあります」
飲めねえよ!
問題:このくまのぬいぐるみ、ちょっと恐いことはなんでしょう?
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