【諸行無常】おっぱい【栄枯盛衰】

「おっぱい揉ませろ」

と嫁に紳士的に迫ったら

「ねえよ」

と言われたので唖然となった。女体におっぱいがないとは。蕎麦屋に行ったのに「蕎麦、ねえよ」と言われたような。看板にいつわりあり。ゴハンにおかわりあり。本番の後につわりあり。

しかし僕を突っぱねた後の嫁は「はあ」と溜息を吐き

「いや、タク(1才の息子)の授乳が終わったら急にしぼんじゃってね…」

しょんぼりして語るのであった。

「娘・R(3才)を産んでからタクを母乳で育てていた期間、私の胸は大きかった…でも、今じゃすっかりこんな…」

育児による巨乳バブル(と言っても元が元だけにタカが知れている)の恩恵を受けた嫁。僕も恩恵を受けて活発化した陰茎を受けてもらったものである。

「私ってこんなに胸なかったんだっけ…」

束の間の夢を味わってしまっただけに、元に戻った時の落胆を味わっているようだ。僕はどのような慰めの言葉をかけてやればよいものか。

「うん、なかったよ。授乳期間中のはドーピングみたいなもんだろ」

「うああああ!」

しまった。情け容赦ない客観的事実だけ言ってしまった。

「そんなことないよ。どれ、見せてごらん…」

などと言っていればウフーンな展開になったかもしれないのに。嫁は傍らで眠る娘・R(3才)に視線を移し

「Rの胸も私みたくなってしまったらかわいそうで…」

また悲しそうな目をして語る。

「今は相撲取りみたいな胸してるけどな…」

「隔世遺伝狙いで、あなたのお母さんに似てくれればいいんだけど」

「え、それは…」

僕の母は確かに胸はある。しかし腹もそれ以上あるし顔もブクブクだし…

「あ、胸だけね。胸だけの遺伝ね」

「お前、今サラっと人の親を胸以外全否定しただろ」

Rの胸がどう成長していくのか、僕もいつまで見守っていけるのだろうか。大きくなっても父に見せてくれないだろうか。1回500円ぐらいで。

いずれにせよ嫁が遺伝に期待するのも、僕が乳鑑賞希望するのも、それはまだ全く分からないのであって、すなわち取らぬ狸の胸算用なのであった。

問題:Rが僕に似てきてやばいところは何でしょう?

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