野に咲く花のように

娘・R(3才)の幼稚園通園について。

「今は親が送り迎えをしているけど、年長ぐらいになったらひとりで出来るようになるのかなあ」

と僕が言ったことがきっかけで嫁とつまらぬ言い争いが始まってしまった。

「何言ってるのよ。年少だろうが年長だろうがずっと親の送り迎えが義務付けられてるのよ」

「うそお。僕は確か年長の頃はひとりで行き帰りしていた記憶があるけどなあ」

「そんな幼稚園ありえない。あなたの記憶違いじゃないの」

「いや、絶対ひとりで行った!家から近かったからかもしれないが…」

嫁の誕生日平気で忘れる程度の記憶を根拠にしているせいか、嫁は頑として信じてくれぬ。僕はおもむろに電話を取りポチポチと番号を押した。

「あなた何やってるのよ」

「生き証人に聞くしかあるまい」

実家の母に助けてもらうしかない。みのもんたクイズ風に言うと「テレフォン」である。

「もしもし母さん?幼稚園の頃、僕ひとりで行ってたよね?」

「なんでそんなこと聞くのよ急に」

「いや今そのことで嫁と抜き差しならない状態に」

「何やってんのあんたたちは。あー…お母さんが送り迎えしてたよ」

「なんだってー?」

やはり僕の記憶が腐っていたのだろうか。

「でもね、バタバタしててお母さんの送り迎えが遅かったりすると勝手に先に行っちゃったり帰って来てたね」

「それだ!」

「あんたはひとりでどこまでも行っちゃう子だったからね。裸の大将みたいに放浪癖があったからねー」

ああ、そういえば…。もう自分でも忘れていたが、母から何十回も聞かされたであろう僕の放浪話をまた聞かされた。って誰が裸の大将だ。

3才ぐらいの頃、祖母の家に行った時のこと。僕の姿が見あたらないので、祖母と母で大騒ぎして近所を探しまくったら、近くの農家の縁側で見知らぬお婆ちゃんとお茶を飲んでいたこと。

またある時、父が勤める会社にひとりで歩いて行き(家から近かった)、守衛さんに呼び止められたこと。

「ぼく、どうしたの?」

「お父さんに会いに来たの」

「お名前は?」

僕は名前を言えたようで、守衛さんが律儀にも父を探し当て、連絡をもらった父が泡食って出て来たという。

またまたある時、父の会社の運動会でのこと。競技の合間に近所の小学校の鼓笛隊がグラウンドを練り歩きながらの演奏があった。そこで僕がまたいなくなった。どこに行ったのかと母が探していると、

「あはは、あの子は誰だ」

「ありゃ(父の名前)んとこのチビだべ」

僕は鼓笛隊の最後尾について颯爽と歩いていたらしい。

「らしい」というよりもこの時は写真にも撮られてしまい、何度となく見せられて、僕がいくら

「記憶にございません」

とトボケようとしても隠し切れない恥ずかしい過去なのだ。恥ずかしい過去は忘れるに限るが、そんな心の傷のかさぶたをいちいち母に剥がされてしまい、脂汗をかいて電話を切った。ともかく嘘ではなかったので嫁に説明。

「そんなわけで、お前の言い分も正しかったが僕の言っていたことも間違いではなかった。よかったよかった。めでたしめでたし」

「あなたがおかしいってだけの話じゃないの」

しかし嫁はまだツンツンしていた。

お、怒るとお腹が減るんだな…。
ぼ、僕はオニギリとオッパイが好きなんだな…。

問題:僕が幼稚園時代、凄く嫌がっていたことはなんでしょう?
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