ぱんつー丸見え
仕事から帰る途中の駅で、女子高生のパンツィラを見た。
電車がやって来る風でたなびくスカートとその中から現れた白い光景は、主が下したもうた僕への恵み。主は我ら人類のため、また我らの救いのために天より下り、聖霊によりて処女マリアより御からだを受け、人となりたまえり。また、パンツィラを与えたまえり。主よ。うちは真言宗です。
舞い上がった瞬間、僕の目の前でも露骨に首を伸ばして覗いているオヤジもいた。おお同士よ。願わくばどけ。邪魔だ。
同じパンツィラを見るのにも、風のイタズラによるものは何の問題もないのに、手鏡を使って見ると有罪判決の上手鏡没収となる。世の中難しい。
しかし何といっても一番可愛いのは娘・R(3才)のパンツである。僕が自らこの手ではかせているパンツ姿が可愛くない筈がない。明日の朝はどのパンツをはかせよう…と考えながら家に着くと、Rはまだ起きていた。
Rに添い寝しようとすると、Rは
「ぱぱ、かっこいいぱんつだねえ」
スーツを脱いでTシャツとパンツだけになった僕を見て言った。
「ぷっ」
嫁が横で笑ったのを聞き逃さなかった。どういう意味だお前。
ただ自分はどんなパンツをはいたいたのだろうか…とRに言われて確認するまで全然記憶になかった。女子高生のパンツィラの色・柄・くいこみ等は重要だが、自分のはどうでもいいものである。
「そんな別に普通のパンツだよ…それに…」
「かっこいいぱんつよ、ぱぱ」
その後Rはもう何回も「ぱぱのぱんつ、かっこいい」と連呼するので僕は恥ずかしくなってしまった。そんなんじゃない。パパのパンツはかっこいいもんじゃない。
「ぱぱのぱんつー」
とうとうRが僕のパンツを脱がしにかかろうとしたので、ああダメよそこは禁猟区、開けてはならぬパンドラの箱、触れてはなりませぬ、と必死に抵抗してこれを退けた。
主よ。お許しください。娘の前では言えませんでした。僕のパンツは決してかっこいいパンツなどではないのです。
パンツ3日換えてませんでした。
女子高生のパンツィラを教訓に己のパンツを省みよ、という教えだったのですね。
人はパンツィラのみにて生きるにあらず。
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