プリーズ・プリーズ・タタミー。


畳の上で寝転んでマンガを読んでいたら、いつの間にか朝まで寝てしまっていた。

顔に畳の跡が付き、気分が悪い。しかも突っ伏していた場所は、ちょうどこないだゴキブリを叩き潰したまさにその場所で、更に吐きそうになった。しかし日本人の大半が病院のベッドで死を迎える現代において、畳の上で死ねたゴキブリは本望だったのではないだろうか。日本人として。ヤマトゴキブリだったし。

僕はどこで死を迎えるのだろうか。病院か。家か。車に轢かれてか。女体の上か。などと考えながらムックリ起き上がって本来の寝室に入ると、嫁と息子・タク(10ヶ月)は起きていて、娘・R(3才)だけは寝ていた。

「タク、お姉ちゃんを起こそうぜ」

「あうー」

ふたりでRの背中をぺしぺし叩いて起こそうとしたのだが、全く起きない。

「ははは、Rはお寝坊さんだなあ」

ところが嫁が言うには

「Rは朝5時に起きたのよ」

「えー」

「あなた隣の部屋で寝てたでしょ。だからRがそっちまで行って『パパおきてー』ってずーっと起こしてたよ」

「全然気付かなかった」

「うん。『パパおきない…』ってベソかきながらまた寝直したよ」

先に起こされていたのは僕のほうであった。ごめんよR。でも朝5時はいくらなんでも無理だ。

「あー…体が痛い…」

僕はR達に看取られながら死ねるのだろか。出来れば畳の上で。

そしてRとタクは僕の忘れ畳。なんつって。


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