2006年07月23日
ナイナイナイ、ついてない
「いやああああ」
朝から嫁の声が轟いた。いやああんばかあん、ええか、ここがええのんか。どんなことをして欲しいんだ、言うれみいほれほれ、と朝からいかがわしい行為をしていたわけではなく、
「あ、今日は資源ゴミの日だった!空き缶出し忘れたあああ」
ということであった。成る程、外からはガラガラと空き缶を処理する音が聞こえている。
「今から走っていけば間に合わなくない?」
「無理よー。駄目よー。はああああ、なんか1日の初っ端から出鼻をくじかれたわ。超ブルーだわ」
僕にはその落ち込みがイマイチ共感できなかったが、主婦にとってゴミ出しの日を忘れることはそれほど屈辱なのであろうか。何年も家にゴミを溜めて警察に通報された人もいるし、別にいいではないか。
しかし今日は嫁が楽しみにしている日でもあった。
「今日は盆ダンスの日よー!」
町内会の盆踊りの日なのである。これも僕には嫁の異様な盛り上がりがイマイチ理解できなかった。町内会のイベントなので、公園に櫓を立てて輪になって踊る程度で、取り立ててお楽しみは、というと、毎年「ボンマスター」と呼ばれる、ロボットダンスのようにカクカクとした踊りを浴衣を汗だくにして最初から最後まで踊りまくっている変な人がいるのと、町内会の皆様が出す屋台のヤキソバやフランクフルトが150円とか100円という安さの上に美味い、ぐらいなのだけれども。
確認のために近所の町内会の掲示板を見てみたら、その盆踊りのチラシの上には
「悪天候のため来週に延期」
どーんと修正書きがされていて、
「あああああ…」
またもや嫁の落ち込みようは尋常でなかった。
「ま、昼飯は美味いラーメンでも食べようよ」
午後、池袋に出向いてお目当てのラーメン屋に向かった。しかしここでも悲劇が。
「閉店しました。ありがとうございました」
無情な告知が1枚ぺたしと貼られており、今日の嫁は「ついてない」の一言に尽きた…とか言って同情していたら、僕は
「あ、財布忘れた」
「何やってんのもう!」
落胆している嫁の神経を逆撫でしていたようで、資源ゴミの日は忘れても、「燃えるゴミの日」「燃えないゴミの日」と並んで「使えないゴミ男の日」などがあったら速攻朝イチで出されそうな僕であった。
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