子育てカップ。日本VSイングランド。
以前隣に住んでいたジェームス君一家と遊ぶことになった。
1年ぶりぐらいになるだろうか。イングランド人のジェームス君と、日本人の奥さん。そして娘のサリーちゃんはうちの娘・R(2才)とほぼ同時期に生まれ、それがきっかけで仲良くなったのだけれども、その後ジェームス君一家には双子が生まれ、うちは息子・タク(8ヶ月)が生まれ、彼らの初お目見えということになった。
嫁から聞いたところによると、イングランド流の子育ては若干うちと違うところがあり、早い内からひとりで寝かせるとか、固いものを食べさせるとか、多少厳しいような気がしていた。
「やあどうもー。」
大きな公園がある、とある街で落ち合った。公園で飯を食い、この公園は人工の川もあるので、暑いしそこで子供達を水遊びさせようという予定であった。
サリーちゃんはハーフだけれども、金髪で見た目はほとんどガイジンさん。双子の赤ちゃん達も金髪の同様、お人形のようであった。
「はーい、サリーちゃん」
僕がサリーちゃんに声を掛けたら、照れた笑いを浮かべてジェームス君の後ろに隠れてしまった。一方Rも同じようにモジモジしており、タクは堂々と寝ていた。
「イングランド、負けちゃったねー」
そういえば前日の夜、ワールドカップはイングランドの試合があった、と、電車の中で思い出し、ジェームス君と話を合わせようと慌てて携帯でニュースを読んできたのだが、
「うん、そうね」
わりと興味ない様子。エゲレス人は皆フーリガンじゃなかったのか…。
公園に着いた途端、僕らを待ち構えていたように雨がポツリポツリと降り出した。
「わあああ、とりあえず木の下に」
大きな木の下にシートを敷いて飯を食い、まあその内止むっしょ、と楽観視していたのだが雨はどんどんガン降りに。雷まで鳴り出す始末。公園で遊んでいた人達も雲の子を散らすように走って去って行く。
しかしジェームス君はサリーちゃんを連れてズンズンと人工の川まで歩いて行き、サリーちゃんの服を脱がせて水遊びさせているではないか。
土砂降りの中ポツンと水遊びする金髪父娘…。
「やあだ、ジェームスったら何やってるのよー」
と奥さん。
「イングランドの子育てってスパルタなんだなあ」
と僕ら。
ようやく戻って来たふたりであったが、サリーちゃんは全裸にネックレスをかけた姿でずぶ濡れになってもニコニコしていた。ネックレスをしているところが洋風というか、チャイルドポルノっぽいっていうか。
ジェームス君だけはちゃっかり傘を差しているし。
そんなんでイングランドー!(続く)
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