金玉が右に寄っちゃった。オールナイトロング。

仕事から帰って来ると、我が家の者達は入浴中であった。

僕は当然それを覗くべく、カメラを片手に

「はーい。お父さんがデジカメでデバカメですよ~」

親父ギャグながらデジカメという当世最新テクノロジーのエッセンスを取り入れた革命的ダジャレを披露してみたが、皆に無視されて、嫁などは呆れ顔でテクノロジーどころかエロジジーを見る目であった。

「おお、我が家の天使たちよ…」

気を取り直して家族の衆に呼びかけると、タクは嫁に抱かれてニコニコと微笑み、Rは何故か拳を耳に当て

「もしもしい~。ぱぱでっか~?」

電話ごっこをするのであった。」

「もしもしー。パパですよー。Rちゃん、パンツ何色?」

全裸だっつの。

「ぱぱ、おふろ、はいるの。あそぶの」

Rは僕も風呂に入れという。しかし悲しいかな、我が家の風呂は狭い。4人で湯船に浸かるのは無理である。僕が入るには、嫁が出なければならない。

「今はママと一緒にお風呂に入ってるからいいじゃないの」

と言うと

「まま、でるの」

嫁はとっとと出ろ、と仕切るR。

「あはははは!嫁、どうする?」

「もう洗い終わったから出るよ!」

嫁はタクを抱えて出て行ってしまった。さあ邪魔者は消えた。速攻でスーツを脱ぎ捨て、ルージュを脱ぎ捨て、全てを脱ぎ捨て、僕は恋のストリッパー。俺の全てを見せてやる。お前の全てを見たい。

「さーお風呂で遊びましょうー」

全力でRとお風呂で遊ぶ所存であるところの僕のふたつの股間のふくらみは、何でも出来る証拠なの。タマキン全力投球。

「ぱぱ、みてみて~」

Rは1日ごとにと言っていいほど新しい遊びを覚え、僕にお湯をぶっかけて来たりする。僕もRを抱き上げたりして応酬するが、Rも随分と大きくなり、風呂が手狭になってきたことよなあ、としみじみ感じた。

「はい、じゃあパパはあわあわする(体を洗う)からねー」

湯船から出、全身バブル魔人になりながら考えた。本当なら嫁もタクも皆一緒にお風呂で遊びたいところであるが、前述したとおり狭すぎる。もしも僕に財力があったなら。もしもでかい風呂が作れたなら。もしもピアノが弾けたなら。

全員入ればイモ洗い状態になってしまう、と溜息をひとつ付きながら洗っているのは、Rとタクを作ったタネイモであった。心持ち右曲がり。甲斐性のない自分が憎い。貧乏が憎い。じっと手を見る。

タマキン洗うが如し。


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