渋谷で飲む娘酒


インターネッツのお友達、ミカチャンとカヲリさんと渋谷区道玄坂にて飲む。

ミカチャンとは1年半ぐらい、カヲリさんとは3年ぶりの再会であった。ふたりとも以前と比べると女としてますます磨きがかかった感があり、そんな女の子達と飲めるのは嬉しいことである反面、一方でこの僕は、以前会った時と比べ、加速的にオヤジ化老朽化陳腐化ちんぽ化しており、そんな我が身をなす術もなく老けるがままに老けて生きている僕のようなつまらない男が同席していいのだろうか、という劣等感をチクチクと胸の中から湧き上がってしまう。最近卑屈になってしょうがない。

それはともかく、久しぶりだねという話になると、自然お互い年取ったなあという流れになり、自分より若い世代を憎む話になっていく。ミカチャンは

「職場で研修担当してるんだけど、今教えてる子なんて18だよ!何だよ18って!!」

高校卒業したての男の子を宇宙人を見るような目で語るし、カヲリさんは

「25才以下の全ての人が憎い!」

とか言ってるし。

「で、カヲリさん、彼氏の年いくつだっけ」

「24」

話の筋が通ってません。

飲みながらの話の中で、ミカチャンが唐突に

「Rちゃん、最近可愛くなったよねー」

と娘・R(2才)の話を振ってきた。僕はRが生まれてから今に至るまで、我が子可愛しほーやれほ、とRの写真や親バカ文をWEBにUPして来ている身。嬉しくない筈がなかったのだが、その後で

「正直、生まれた当初は、写真そんなに可愛くないって思ってたんだよね」

と言われ大変ショックであった。可愛くないと言われたことがショックなのではなく、実は最近、僕も同じことを感じていたことを思い起こさせられたからなのである。

Rが生まれてから今まで、その時その時のリアルタイムでは「なんて可愛いんだろう」と常に思ってきた。だから親バカ全開で写真を撮りまくったりWEBに載せまくったりしていたのだが、今になって産まれた直後から1才ぐらいまでの写真を改めて見直してみると

「…あれえ?」

猿と大して変わらないんじゃ…と感じてしまうのである。どう表現したらいいのだろう。中学生の時めちゃくちゃ可愛くて好きだった女の子の写真を久しぶりに見てみると

「なにこの栃木丸出しの田舎顔」

という違和感のような。

それは親として言ってはいけないような気がしていた。可愛くない、と思ってしまうとはなんて冷たい親なのであろうか、と自責の念に駆られていた。しかしミカチャンに言われたこともあり、ありのまま話した。

「僕も最近そう感じていた。でも当時は可愛いと思ってたんだよ!」

「うんうん。だから『あー親バカフィルターかかりまくってるなー』って思って見てたよ」

とても客観的な意見ありがとう。なんだか少しだけしょっぱい酒になってしまった。

家に帰ってからRの寝顔を眺めてそっと抱き締めた。娘よすまん。でも今のお前は世界一可愛い。

そして息子・タク(7ヶ月)の寝顔のほっぺたもぷにぷにと触ってみた。

この子の笑顔も最強のミリオンダラースマイルだと思っているが、やはりRと同じように2年後あたりに振り返ってみると「猿みたい…」と感じてしまうのだろうか。そして客観的に見ると猿なのだろうか。

ああ、どうしても親バカフィルターが外せない。今必要なのは客観だ!客観的な目だ!

しかしできるだけ客観してタクを眺めるよう試みても、やはり我が子の可愛さは変わらず、敢えて言えば「太ってるなあ」としか思えなかった。

デーブ、デーブ、客観デーブ…。

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