嫁っ子どうぶつ


息子・タク(7ヶ月)はタレ目。親の僕がそうなので逃れられぬ運命である。

そのつぶらなタレ瞳で僕や嫁を見つめつつ、ちょこんと座ってわきわきとおもちゃを弄ぶので、バカ親フィルターが働いてしまい

「ああ、なんて可愛い子なのでしょう。遊ぶ仕草もタレ目も、まるでパンダのようだね」

以後タクはパンダと呼ばれるようになった。しかし最近メキメキとハイハイが上達し、素早い動きをするようになったので

「上野動物園のパンダはもっと怠け者だった。だからレッサーパンダと呼ぶことにしよう」

変なところで細かい嫁が提案し、現在はレッサーパンダに昇格(?)している。

「じゃあ僕や嫁やR(2才の娘)を動物に例えるなら何になるだろうか」

話は自然にそういう話になり、これはRに聞いてみることにした。

「R、パパが動物だったとしたら、何かな?」

「うーんと、ぞうさん」

「え…」

しばし絶句してしまった。まさか象の鼻からお父さんのアレを連想しての答えではないよね…。いくら僕でも純粋無垢の愛娘の前ではアレを使った「ネッシー」「潜望鏡」「ちょんまげ」などの最低低低の低の芸は見せたことがないから、。それよりもRには見られるのは恥ずかしい思いのほうが強い。なので風呂では出来るだけ目に付かないようにし、Rも取り立てて注目する素振りも見せないのだが、やはりどうしても目に留まってしまうものなのだろうか。いやん見ないでえ。

「じゃあママは?」

考え込んでしまった僕の隙を突いて、嫁が乗り出した。

「鬼だろ」

僕が即答したが黙殺され、

「えーと、ママは、うさぎさん」

Rはにっこりと答えた。

「キャー、ありがとう」

嫁は喜んだ。しかし僕は異を唱えたかった。うさぎの一般的なイメージとしては可愛い、弱い、寂しいと死んじゃう、などがある。確かに昔の嫁はそうだった。特に結婚する前は

「寂しいよう…」

とか電話を掛けて来たもんだった。それが今じゃ僕の愛のまぐわいは拒否されまくるわ、せめて口づけだけでもと思い、唇を重ねようとするだけでハエ叩きのような手が飛んでくるわ、子育てにも逞しく、僕がいようといまいと後百年は生きていそうな勢いである。あの頃の嫁は今いずこに…。

どこかの小咄で

「女は、結婚したら夫に変わってほしいと思う。でも夫は変わらない。
 男は、結婚しても妻に変わらないでほしいと思う。でも妻は変わる」

というものがあったがその通りだ。嫁は変わり、僕は相変わらず体を求め、ネット漬けで、家事やらない。小咄の通りなるべくして今のような関係になっているのだろう。

動物連想からささくれた夫婦関係にまで話が飛んでしまった。重い気持ちを払拭すべく、話を戻そう。

「じゃあRちゃん、Rちゃんは動物だったとしたら何かな?」

「Rちゃんは、りすさん!」

「ああ、ピッタリだね。可愛いりすさんはRちゃんだね」

チョロチョロと跳ね回る小動物のイメージとしてRはピッタリだ。Rはそのまま変わらないで、いつまでもパパの可愛いリスさんでいておくれ…。

君とリスまでも。

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