フニクリ、プリクラ

「クリスマスにプリクラを撮りたいのよーッ!」

と嫁が叫ぶので、一体どこがどうなったらそういう思考になるのだろうと頭の中を覗いてみたかったが、かつそのついでにパンツの中も覗いてみたかった。

「デジカメで毎日撮ってるからいいじゃん…」

「プリクラがいいの!」

僕はイメクラのほうが良かったが、仰るとおりに子供達を連れてゲーセンに行った。

娘・R(3才)が産まれた頃には何度か撮ったことがある。その時はゲーセンの爆音でRが泣き出したり、加えてタバコまみれの空気が漂い、子供にとってはいいところではないね、ということでそれ以来足が遠のき、息子・タク(1才)が産まれてからは行っていなかったのである。

「タクちゃんのプリクラも撮ってあげなきゃかわいそうでしょう…」

嫁の言わんとすることはこのことであった。

「じゃあこれにすんべよ」

かつて僕が入り浸っていたゲーセンのプリクラ…。僕がゲーマーだった頃には邪魔者以外の何物でもなかった。ゲーセンの中はオタクだらけなのに、プリクラコーナーだけはいつもギャルで溢れておった。場違いなパンツ見えそうなギャルを見るたびに彼女らに駆け寄って

「ほーらオタクだよーん!」

と脅かしたい衝動を抑えてきたものだ。

3才に成長したRはもうゲーセンを怖がらなかった。タクなどは怖がるどころか目を輝かせており、1才にして父を継ぐオタクゲーマーになりそうな予感がして悪寒。

Rとプリクラを撮った時も数年ぶりであったが、今回もまた2年ぶりぐらいではないだろうか。その度にプリクラは進化し、どんどん複雑になっているので舌を巻かれる思いだ。今回もとっとと撮りたいのに

「撮影コースを選んで下さい」

と画面に出ると「わく撮り」「重ね撮り」「きれい撮り」の三種類から選ばなければならず、

「どうしよう。意味分かんない。隠し撮りしか知らない」

「えー適当でいいよー」

と嫁とオロオロしながら操作し、それが終わったと思ったら今度は

「肌の写りを選んでください」

と出て「エロかわ」「姫かわ」「ギャルかわ」なるものから選ばなければならず、ぶち切れてちんちんのかわを出してやりたくなったが、嫁に堪えろと言われ、それからはもう適当に選んで撮りまくった。なんか昔と違って撮影回数も撮影時間もたんまりあるので疲れた…。

撮影が終わった後は「らくがきタイム」と称するタッチペンで色々字を書いたり絵のスタンプを押したりで、これまた時間がたんまりある。

「ねねね、『アキバ系』のスタンプとかあるよ」

と嫁が教えてくれたので見ると、「((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル 」とか「キタ━(゚∀゚)━!!?」とか、あとデブメガネ長髪の典型的オタク男の顔などのスタンプがあった。誰が使うんだこんなもん。つくづくアキバ=オタク=気持ち悪いというカテゴリでネタにされてるんだなあと苦笑いした。

そんなわけでドタバタしながら完成したプリクラは、特にRのお気に召していたようで、家に帰ってからシゲシゲとずーっと眺めていた。

「みんながうつってるの!」

「そうだねえ。Rちゃんもタクもかわいいね」

「Rちゃん、みんながすきなの!」

「おおそうか。パパもママもか」

Rは嫁やタクの顔をひとりひとり指差しながら言った。

「ママもすき。たっくんもすき。Rちゃんもすき。コレもすき!」

Rよ。何故父だけ「コレ」扱い…。

その後タクもノタノタと近付いて来て、Rとプリクラの奪い合いとなった。

プリクラまんじゅう、押されて泣くな。

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