年賀状!書くんだジョー!

なんと。昨日の日記の続きである。

年賀状用に家族写真を急遽撮った僕ら。

今度は嫁がパソコンを開いて、ネットで注文できる年賀状作成サービスに頼もうとしていた。いくつもある出来合いのデザインから選ぶことが出来る。

「去年は自分で作ったけど、今年はやるヒマがないから…」

僕がやらなくてどうもすみませんねえ…。僕がやるとしたら、写真は却下で非常にシンプルな奴を速攻でコンビニに頼んでおしまいである。

「ねえ、これとこれ、どっちのデザインがいいと思う?」

嫁がふたつのデザイン例を見せてきた。写真が入るところにはモデルのにこやかな家族写真が取り込まれていた。このデルモ家族が曲者だ。曲者曲者。くせえものには蓋をしろ。ムカつくことに旦那が超カッコいい。母親も美人。うちのと替えてくれ。子役もカワイイ。そのファミリーが醸し出すオーラは、バラの花びらしか食ってないんじゃないかってぐらいのきらびやか&爽やかさ。

それに引き換え僕らの写真は…。生活感だだ漏れリアリズム。貧乏だだ漏れペシミズム。快感だだ漏れオルガズム。

こういった見本にはあまり美し過ぎるモデルを使ってはいけないのである。とある結婚式場のパンフレットでは、特にすごい美人は使わないのだそうだ。理由は、そんなハイレベルの美人がウェディングドレスを着た写真に、加えて

「幸せのライスシャワー。夜は顔面シャワー」

などという甘いコピーが散りばめられたものを見させられても、

「私が同じ場所で同ドレス着てもこんな見栄え良くはならない…いいんだろうか、私がこんなことしても…」

客がどうしても見劣りを感じ、せっかく浮かれまくった新婦予備軍のウェディングハピネスに水をぶっ掛ける恐れがあるからなんだそうだ。だからどっちかっていうと美人レベルのモデルか、初めから上がる土俵が違う美形外人を使う、と聞いたことがある。

しかるにこの年賀状モデルは違反である。もうちょっとレベルを下げてくれれば僕も引くことはなかったのに。イケメン旦那だけどホクロから毛が出てるとか。美人の奥さんだけれども、歯に青ノリが付いてるとか。カワイイ子供だけれども、青ッパナが出てるとか。

「ねえ、どっちがいいの?」

嫁が再び聞いた。見目麗しい家族だったらより映えるデザインを選んだ方がいいが、僕らはデザインひとつでどうにかなるレベルではない。よってどっちでもいい。

「いいよどっちでも」

「フ…いいよ、ありがとう。もういいから。自分で決めるから」

一方で強くこだわっている嫁はにへらと笑い、あんたは御役御免とばかりに手でぐいと押されて引き離された。

「あけましておめでとうございます。
 昨年はお世話になりました。
 今年もよろしくお願いします」

年賀状の常套句。そんな中に

「あけましておめでとうございます。
 今までお世話になりました。
 慰謝料よろしくお願いします」

嫁から離縁状が来そうで怖い。

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