娘の服はセーラーメイド。

仕事始めが始まって二日目。
早くも息切れがして、まったりと過ごした正月が懐かしい。

嫁と娘・R(1才)とゴロゴロと過ごした元旦。
Rには僕がクリスマスプレゼントに買ったセーラー服を
ここぞとばかりに初めて着せてみた。

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…Rよ。父は感慨無量である。またとない自分の愛しい娘に
これまた愛しくて止まないセーラー服を着せることの喜びよ。
これこそ男の浪漫である。娘を持って本当に良かった。

この感動を大切にせんがため、これから毎年元日には着物
などではなくセーラー服を着せることにしようと思った。
いや、思ったがやはり晴れ着も捨てがたいと思い留まった。

いっそのこと元旦にはセーラー服や着物のみならず様々な
コスプレする、という風習を我が家で作り上げてみたい。
聞くところによると、元旦には一家全員が全裸で過ごすという
奇習もあるくらいだから、無理はないな!

やがて物心が付くRは「何故自分だけ」と嫌がるかもしれないが、
そこはお年玉をちらつかせたり

「これは明の時代に黄・素扶礼という貴族が始めたもので…」

などと民明書房風にでっちあげてみたり

「お父さんはな、お前の晴れの姿を見るのが何よりの幸せなのだよ。
 きれいや。ほんまにきれいや…ううう…」

とお涙ギブミー作戦に出てみたりで努力してみる。

コスプレ候補にはチャイナドレス、巫女、ナース服等色々、
来年はメイド服にしてみたいと思う。来年の元旦までに
メイド服の子供服を全力で探すことにしよう。

正月や メイドの道への 一里塚。


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嫁の初ボケ。

滅多に体の繋がりを持とうとしない嫁が、珍しいことに
白昼堂々僕に腕を回してベタベタと体を摺り寄せてきた。
何か悪いものでも食べたのだろか。

訝しがる僕をよそに嫁は不敵な笑みを浮かべ、

「よいしょ、よいしょ」

更には胸を寄せて上げようとしているではないか。
いよいよ黄色い救急車を呼ぼうかと思った。

娘・R(1才)を産んだことによる「出産特需」により
劇的にたわわになった嫁の胸ではあるが、現在は
Rに吸い尽くされ、どんどん元の小さな胸に戻ろうと
している。

それでも絞るように胸の肉を集める嫁の姿は、まるで
空になったハミガキのチューブをぎゅうぎゅうに
絞ってもやはり出てこなかった時の虚しさに似た、
絶望的な光景であった。

これ以上見てることが辛くなり、たまりかねて
嫁に声をかけた。

「何だ。一体どうしたというのだ」

「うふふ。今年もよろ乳首」

「…」

「…」

このギャグの為に何と長い前フリであったことよ。今年の干支は
ニワトリだと思っていたが、どうやらトリはトリでも
しらけ鳥だったようだ。

せめてハト年だったらそれにあやかって嫁の胸も
ハト胸ぐらいにはなろうと志したものを…。


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やだねったら、やだよ。

故郷の栃木での買い物の帰り道、

「ちょっとCD屋さんに寄っていいけ?」

ソワソワとした母が言った。母が聴く音楽といえば

「きよし、だね?氷川きよしなんでしょう?」

「うん。お店の人からポスター貰う約束してるのよ!」

「母さん、アイドルオタクだよそれじゃ…」

しかし還暦を過ぎた母の数少ない楽しみに水を差す訳には
いかない。母が店から出てくるのをじっと車の中で待っていた。
5分後、まるで熊を仕留めた猟師のような勇ましい足取りで
きよしポスターを手にした母が戻って来た。

実家には氷川きよしポスターが至るところに貼られている。
居間・応接間・台所と、どこにいてもきよしの熱い視線と
ぶつかるよう配置されている。

僕は初め、あまりの実家の変わりように驚き、

「ここにもきよしかよ!」

次いで呆れ果てたが、今はもう慣れつつある。
母はああやってきよしポスターを収集し、
やがてもっと増えて行くのだろう。
やれやれ、とトイレに入ったところ…

いきなり瀬戸内寂聴のでかい顔があってギャース!

これも母の仕業だ。母が瀬戸内寂聴のポスターを
いつの間にか貼っていたのだ。何故寂聴!?
とにかくあわや漏らしそうになるほど驚いた。

便器の中から青白い手が出て来て「赤い紙いるかーい」
などと聞かれてもこれほどは驚かないだろう。
それだけ怖かった。母も女である。トイレの中の姿を
きよしに見られたくないのだろうが…だからって、だからって。

思えば亡き父も、僕が小さい頃、縁日の夜店だか
どこかで買った山口百恵のばかでかいポスターを
いきなり僕の部屋に貼り、困ったことがあった。
どうして父の部屋に貼らなかったのか、とうとう
聞かず仕舞いであったが…。

そう考えると、あの父にしてこの母なのかもしれないなあ、
などと過去を懐かしんでみたりするのであった。

これをポスタルジーといいます。


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おとし玉の、おとし穴。

娘・R(1才)にお年玉をあげたのだが
見向きもされなかった。

金の価値なぞまだ分からないのは百も承知なので、
可愛い動物の絵が描いてあるポチ袋にしてRの目を
引こうと思ったのだが、手に取ってすらくれなかった。

父の愛は無念にも踏みにじられてしまったので
夫の愛を嫁に注ごうと思った。

要は嫁にもお年玉〜とか、いつものお下劣な
アレである。

嫁を相手に実家で致すと、恥ずかしい染みを作ったり
母に現場まで突撃されたりと過去ろくなことがなかったが、
姫初めという縁起物であるのでこれを怠る訳にはいかぬ。

しかし…嫁に抱きつくことすら出来なかった。

というのもRは寝る時に必ずグズり、嫁に覆いかぶさりながら
でないと眠らないのである。僕が嫁にやりたいことをRに既に
やられてしまっている。かといってRをひっぺがそうとすると
途端に泣き叫ぶので、手のつけられようが無い。

チャンスがあるとすれば、Rが寝返りを打ち、自主的に
嫁から離れてくれる時のみである。

この夜も嫁の隣に寝そべり、虎視眈々とタイミングを
計っていたのだが、Rはとうとう離れることは無く、
時計は既に午前2時。もはやこれまでであった。

我が家の姫のために姫初めを阻害されるとは、
明るい家族計画でも盛り込まれておらぬ大誤算。

熱い抱擁のまま眠るふたりに反し、ひとり寒気を感じた僕は
熱い放尿をして仕方なく眠りについたのであった。


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一年の計はアンポンタンにあり。

実家にはコタツのある部屋に父の仏壇がある。

そこに飾ってある父の写真を娘・R(1才)が指差して

「んでゅ?んでゅ?」

取ってくれ、という意味のジェスチャーをしていたので

「おおそうか、じじ様に挨拶したいのか」

Rに手渡してやったのに、すぐ

「ぽい」

ぶん投げてしまった。あああお前はなんということを。
お父様御免なさい。

その後、僕とRがコタツで丸くなっていたら、
異様にハイテンションな嫁がやって来て

「私、着替えマース」

と、尻を振りながらズボンを脱ぎだすではないか。
朝でも夜でも真昼でも恋はストリッパー、という
沢田研二の訳の分からない歌の再現を見た思いがした。
今更嫁がどんな悩殺ポーズをしてきても感動も興奮も
全く生まれないのであるが、僕は大いに慌てた。何故なら

「仏壇にケツ向けんなバカー!」

このことである。ちょうど父上様の仏壇のまん前で、
屁の一発でもかませば線香立ての灰も吹っ飛ぶであろう
至近距離。位牌がストリップ小屋のかぶりつき席になった
ような有様だ。

「あら、これは失礼オホホ」

しかし嫁は悪びれることも無く、揺れるダンシング脱衣尻を
隠すことも無かった。このアンポンタンな行為によって嫁が
何をしたかったのかは未だに分からない。2005年の初謎である。

父上様、うちの女どもはおおよそこんな感じです。
知らぬが仏のままでいて欲しかったのですが…。

仏壇における言語道断なお話であったことよ。


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