疲労ピロートーク。

寝床の中での嫁との会話。
僕は間合いを計っていた。

「クリーニング屋にスーツのかけはぎ、頼んでくれたか」

「うん。結構お金かかるかも」

間合いはまだまだ。

「母さんから、氷川きよしのコンサートでテレビに映ってたって
 メールがあったよ」

「私見てたよ。客席、似たような顔ばかりだったからどれかは
 わからなかったけど」

まだまだまだ。

「R(1才の娘)は今日も鼻が出てたか?」

「うん。今日も鼻タレ子だったよ…」

まだまだまだまだ…ぬああ!とうとう僕は痺れを切らし

「ああそうか。Rも可愛そうに…

 ところで…やらせて」

「イヤ!ダメ!私は寝てないの!」

捨て身の切り込み攻撃を試みたが、やはり怒涛の勢いで
断られてしまった。Rの鼻タレは未だ続いており、夜中
苦しんで何度も夜泣きする。その度に嫁は起こされるので
睡眠不足なのであった。その思わぬ影響がここに。

僕もしばらく寝てないの!(意味が違う)


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愛するーハナタレー贈るー言葉ー♪

鼻水が物凄い勢いで垂れてくる。

僕は子供の頃からハウスダストアレルギー
なのである。外に出ると鼻水は引っ込むので
花粉症ではないと思う。

しかしハウスダストハウスダストとそれを強調して言うと

「じゃあ何かい。あたしの掃除がなってないってことを
 遠まわしに言いたいのかい。だいたいあなたは掃除一つも
 しないくせに…(以下略)」

などと嫁の火薬庫を突いてしまいそうな雰囲気にあるので、
あまり口には出さない。ただ黙っておもむろに鼻紙を
鼻の穴に突っ込むだけである。

この姿を見ると嫁は必ず笑う。笑わば笑えと僕は毅然と構える。
死ぬ程みっともないが楽である。かみすぎで鼻がヒリヒリしたり
耳がおかしくなって地獄を味わうよりも、恥を晒してでも生き延びる
道を僕は選ぶ。それに山瀬まみの物真似も出来てトレンディである。

それに、僕のアレルギーは数日で治る。しかし間もなく嫁は
花粉症で僕の数倍の鼻水を出し、苦しむことになろう。
嫁は女としてのプライドが許さないため、鼻紙詰めはしない。
さすれば僕はここぞとばかりに

「ほ〜ら、君もやってごらんよ。女として何かを捨てることには
 なるけどとっても楽チンだよ〜」

三途の川の向こう岸へと誘う死神のように嫁に語りかけるのだ。
それが復讐。

そしてこの呪われた血を受け継いだ子がひとり。
娘・R(1才)である。僕と同様鼻水が垂れっぱなしであった。

つむじがふたつ。眉毛が濃い。便秘気味。そしてアレルギー。
つまらんところばかり似てしまっている。なんとかわいそうに…。

「R、お前だけはこの苦しみを分かってくれるよね。
 お父さんがどんな姿になろうとも君は裏切らないよね」

と、鼻紙ぶち込み顔をありのままにRに向けてみたら

「うぎゃー!」

ハエたたきの様にブンブン手を振り回して避けられてしまった。
ああ、なんて冷たい我が家の女たち。嫁はまたそれを見て

「あなたが伝染したんでしょ!」

と、全ての元凶をぼくのせいにする。

「アレルギーは遺伝はするかもしれないけど
 伝染はしないと思うぞー!」

腹いせに杉花粉に先駆け、僕の植物でいうところの花粉を
嫁に撒き散らそうとしたが、それも断られた。

鼻の水は 伝染りにけりな いたずらに…。


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厄払いのお代は前払い。

嫁の後厄と娘・R(1才)の前厄、そしてこれまた後厄の
栃木の母が合流し、まとめてお祓いをしに西新井大師へ。

西新井大師は沢山の人で賑わっており、またそれ目当ての
屋台の店もかなりの数が出ていて活気に溢れていた。

嫁と母は祈祷をしてもらいにお堂に入っていったが、
お堂の中は寒いし、Rは祈祷の間に絶対飽きてしまうだろうと
いう判断で、僕とRは外で待っていることとなった。

Rのベビーカーをガラガラ転がしながら屋台をひやかしていたが
余りの寒さに震えてきたので、駅前のケンタッキーで
待つことにした。

一人歩きを覚えたRはとにかくベビーカーを抜け出て
「キャアキャア」と店内を歩きたがろうとする。

客があまりいなかったので、奥まった禁煙席スペースだけ
好きに歩かせることにした。

やがて合流してきた嫁と母と共に、再び西新井大師の
門前町に昼飯を食う店を探しに出た。

Rは参道でもやはり歩きたがりな素振りを見せたので
トコトコと歩かせるがままにしていたら、

「プギャアアアア」

いきなり転倒しておお泣き。ああ、厄払いをしに来たのに
Rに災厄が。

更に飯屋に入って、僕が一品料理のみを注文したところ

「あなた、そんな少ないものでいいの?」

と、嫁が聞いてくるので

「ああ、僕は屋台の中華焼きとかケンタのグラタンとか
 食べてたからこれでいいよ」

と、ついうっかり話してしまったところ

「ナニソレ!私だってお腹空いてたのにムキー!」

本当に「ムキー!」と叫んで怒りだしてしまった。
ああ、厄年でもないのに僕にも災厄が。

そして寒天の中を歩き回っていたせいか、昨日から
調子が悪かった体調が更に悪くなり、鼻水がダダ漏れに
なってしまった。ああ、ここにも災厄が。

なんかー。もうチョー災厄っていうかー。


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君の瞳にワカパイ。

池袋の超有名なラーメン店に、嫁と娘(1才)を連れて
食べに行った。初チャレンジの店だった。

大失敗だった。

「嫁〜。モヤシが入っているよう。やだよう」

「それぐらい事前に調べないのが悪いんでしょう!」

「インターネッツにはそんなこと書いてなかったよう」

店員にも聞こえるぐらいの声で夫婦紛争が勃発する有様だった。
僕はモヤシが嫌いである。僕自身がひ弱なモヤシっ子なので
共食いになってしまうからである(言い訳だが)

しかし嫁もチャーシューを共食いしていたので、僕も我慢して
食べた。(嫁の名誉のために書く。嫁は本当はサレンダーである。
違った。スレンダーである。服従してどうする)

ところが困難なのはモヤシだけではなかった。
油ギトギトなスープと、腹に重く溜まる太麺がダメで、
半分以上残して降参。こんなことは初めてである。

嫁も同様な状態で、夜になっても胃がもたれたまま、
夕食を食べる気になれずにテレビを見ていたら、故郷
栃木の佐野ラーメンが紹介されていた。

「私、やっぱりこれが食べたいよ…」

「そうだな…でも東京じゃ食べられない…」

嫁が嘆いて、僕が答えた。佐野ラーメンこそが一番美味い。
僕はそう思っている。栃木に帰った時に嫁にも食べさせたら
一発ではまっていた。

ウド鈴木と知らない女の子芸能人が食べているさまを
呪いが籠もった目で眺める僕と嫁。そのうち僕は
その女の子の服の下に隠されている胸が豊満で
あることに気付いた。

「なあ、この子、実は乳が大きいんじゃないか?」

同じ女性として嫁はどう判断するか、確認を取ってみたところ

「あなた『ワカパイ』知らないの?この乳アイドル知らないの?」

と、大層呆れられてしまった。

「は?何だ、そのうなぎパイの親戚みたいな名前は…」

僕にとってのアイドルとは、元近所に住んでいたお気に入りの
美少女・Rちゃんである。彼女こそが唯一無二のアイドルであり、
娘にもこの名前を付けた。

Rちゃんは引っ越してしまい現在普通であるが、未だに僕の
心の中で燦然と輝き続けているので、テレビの中のアイドル
風情などには興味がない。だから名前も知らなくて当然である。

乳にしてもそうだ。Rちゃんのネコ系童顔に釣り合わない、
はちきれんばかりのふたつの胸の膨らみこそが、僕の理想的
パーフェクトロリ巨乳であるが故に、そのワカパイとやらも
今まで目に入らなかったのである。

見よ、この一途なピュアマインド。褒めこそすれ、呆れること
などもっての外である。

ここで本日学んだことのまとめ。

ラーメンは佐野である。
ワカパイは乳である。

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娘を追うものは嫁を得ず。

娘・R(1才)はピカチュウが好きである。
いや、好きになるように僕が仕向けたと言っても良い。

何故そんなことをするのかというと、僕がピカチュウ
好きだからである。

僕の家には数十匹のピカチュウがディスプレイされていて、
しょっちゅうRに見せていたのだ。

しかし最初から好きだったわけではない。過去、等身大のでかい
ピカチュウを初めて見せた時はびびりまくって大泣きしていたが、
努力の甲斐あって今では

「取って〜」

とばかりに手を伸ばすようにまでなった。

そして羨ましいことに、その膨大なピカチュウの中の、
Rが気に入っていると思われるひとつを、毎朝手にとって
チューしているのである。

「R…お父さんにもチューしてくれないかなあ」

僕はうむー、と唇を尖らせてRに迫ってみるのだが、
Rはぶんと手を振って僕のベーゼを避け、

「ぎゅむ」

そのピカチュウを僕の顔面に押し付けるのである。
何故に父をそこまで避けるのか。R、お前は父より
ピカチュウを選ぶのか。お前が愛するというのなら
この父に止める理由はない。しかしその電気ネズミは
お前を養っていけるのか。収入ないぞ。

いつかはRもこの父の有難さを分かって、自らチューして
くれることを期待する他ない。そう、今はピカチュウLOVEだが
この次は父LOVEになってくれることを願って。

とかなんとか考えて夜空のお星様にお祈りしていたのだが、
最近はアンパンマンにまでチューするようになった。

何で僕にはしてくれないの!

Rの今の好みのタイプはピカチュウとアンパンマン。
何か相通じるものがあるのだろうか…?

あっ。赤いほっぺた!これだ!

そんなわけで僕は今、志村のバカ殿のメーキャップ導入を
真剣に考えている…。

嫁には確実に逃げられるだろうが…。
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