おとなと子供の絵本。

この前娘・R(もうすぐ2才)に絵本を買ってやろうと
決意したにもかかわらず、数時間後にはポックリ忘れ、
本屋の前を通ったのに豪快にスルーしていた僕。

「ボクドラ絵本ー!」

などという情けないギャグでお茶を濁した上、Rに無視
されるという生き恥を晒した失態を挽回すべく、会社
帰り本屋の絵本コーナーにまっしぐら。今までの僕で
あったらエロ本コーナーに突入していたところである。
一字違いで大違い。僕も人の親になったのだなと実感
するひと時である。

Rへの詫びの意味も込めて2冊買って来た。明朝、Rが
起きた時に見せたらきっと喜ぶだろうウフフ…と
寝床についた。

翌朝、思惑通りRは絵本にまっしぐらに食らい付いて
来た。2冊のうち1冊を取り、朗読を始めたところRは
大人しくじっくりと聞いていた。読み終わっても
「ふんふん」ともう1度読むことをせがまれ、3回も
読み返した。

ああ、Rったら凄いわ、朝から3回も。

と悦に入っていたらRは絵本をヒョイと取り上げ嫁の
ところに持って行った。嫁にも読んで貰いたいらしい。

よっぽど絵本に飢えていたんだなあ…と心が痛んだのも
束の間、嫁とRの間にトラブルが発生した。Rは始めは嫁が
読む本を見ていたのだが、その内はもう1冊の本を見始め、
嫁の方など見ちゃいない。それに激怒した嫁は

「なんだ、見てないじゃないの」

とっとと絵本を閉じ、台所の洗い物を始めてしまった。

「プギャアアア!プギャアアア!」

途中で止められておお泣きするRと

「お母さんは忙しいの!」

家事に追われる嫁。娘も哀れなら嫁もまた哀れ。

「はいはい、じゃあお父さんが読んであげるから」

この修羅場を救うべく僕が本を手に取ろうとしたのだが、

「めーーーーっ!プギャアアアア!」

Rは本を取られると思ったのか、怒り泣きになってしまった。
この絵本は僕が買って来たのに…。

まさに「お前のものはオレのもの」

でもいいの。僕、親バカだし。Rよ。この父だけには思う存分、
ゴウダタケシズムを貫き通すがよい。でも将来

「オヤジの癖に生意気なんだよ!」

とか言われたら凹むが。

ちなみに買った絵本はドラえもんではなくアンパンマンである。
アンパンマンは頭を齧られる物語である。

僕もRにすねを齧られる日記をここに記すことになるだろう。
でもいいの。僕、「齧りん」だし。
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逆子の逆夢。

嫁のお腹の中にいる第2子(仮名:トロ)はまだ性別が
分からない。とりあえず逆子だが。それは長期戦で
いずれ子宮内で寝返りを打ってもらうこととして、くよくよ
考えるのはやめた。それとは別に嫁は言う。

「まだいい名前が思いつかなくて。性別が分からないから
 余計決まらないのよ」

「男女別ベスト3ぐらいを考えておけばいいんじゃないか?」

長女・Rの名前を付けたのは僕だったので、今回は嫁が
命名する権利を持つ。嫁はキムタク好きなので「拓哉」と
名付けたいと言っていたがまだ踏ん切りがつかないようだ。

ゆっくり考えればいいと思う。思い入れのある名前をあれこれ
考えられることが、子を持つ親の特権であり楽しみであろう。

「でも、トロちゃんは男の子のような気がするわ」

「君がそう感じるのなら多分そうなんだろう」

「夢を見たのよ。女の子が産まれる夢だった。
 Rを身篭っていた時は男の子が産まれる夢を
 見たの。だから逆夢で男の子が産まれるんじゃ
 ないかってね」

「ふーん」

僕は女の勘とか直感とかをわりと信じる方だ。それ
のお陰で僕の悪事は必ずばれ痛い目にあっているので
身を以って信じているといえる(威張るな)
だから嫁のこの話も素直に頷いて聞いた。

「でも男の子の名前がねー。決められなくて…」

話が振り出しに戻った。

「今だと『タッキー』とかが多いのかね?義経」

「あなた、タッキーは名前じゃないよ…」

ふごお。オタッキーの僕にはジャニーズなんて元から
興味ないのに断片的な知識で物を言うものではない。

しかし次の日、僕は素晴らしい命名のアイディアを
思いついたので嫁に得意気に言って見せた。

「龍一という名前はどうだ?」

「へえ…でも、どうして?」

「逆子だから、サカゴトリュウイチ」

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おなかの子の一大事。

嫁のお腹にいる第2子の性別が気になる今日のよき日。
嫁が産婦人科に行ったところ、男子でも女子でもなく

「逆子だって」

どーん。

性別は分からないのに、こんなことが判明してしまった。
長女・R(1才半)の時にはこんなことはなかったので
そこはかとなく不安が漂う。

「お腹を冷えた状態にしてたり、あとRが乗っかってたり
 してたからじゃないかと思うんだけど…」

「ふーん」

「来週の検診は旦那さんも連れて来てって言われたから
 よろしくね」

「何?僕も行くのか?何か重大な宣告でも…」

医者に呼び出されると聞くとつい過敏な反応をしてしまう
僕であったが、

「なんかね、マッサージのやり方を教えるって」

とのことだった。逆子マッサージでも伝授してくれるのだろうか。
これからどうなるか怖いところがあるけれども、逆子は出産前には
95%は元に戻ると本に書いてあった。

大丈夫、マイベビーノープロブレムよ、と自らに言い聞かせ心を
落ち着かせることにした。おそらく嫁が一番不安がっているから
僕は気丈にしていなければなるまいて。

しかし…こんな状態ではいっそう夫婦の契りなどやってはいけない
だろう。突っついて逆子が直るものならドッカンドッカン突っ込む
けれども、年中発情期の僕とはいえ、これは控えなければならない。

「あとね…やっぱり妊娠中のアレは良くないらしいよ」

僕の心を見透かしたように嫁が行った。これでますます自粛せざるを
得なくなった。来週はみっちりと逆子マッサージを覚えてこよう。

自力でマッサージをして子を正常な位置に戻るよう努力しよう。

ところで逆子とは、子宮の中で頭が上になっている状態を指す。
僕のまあその、なんだ、息子と呼ばれる部分も、亀のような頭が
上を向いている。これもついでに逆子といえよう。

これも自力でマッサージして正常な位置に戻るよう努力せねばなるまい。

こっちのマッサージのやり方は、教わらなくても分かってるから…。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


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ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

娘・R(1才半)がものすごい勢いで謝ることを覚えた。

何かオイタをして嫁や僕に怒られて謝るのではなく、

「そのオモチャもうしまおうね。こっちよこして」

例えばRの手からオモチャを取ろうとすると

「ごめんなしゃい!」

悲鳴に近い金切り声で絶叫するのである。本当に謝る意味
での「ごめんなしゃい」ではなく、「ねるとん紅鯨団」の
(古いなあ)

「第一印象から決めてました!」(古いなあ)

と告白された時に断る常套句としての

「ごめんなさい」

と同様の使い方である。「いやだ」と拒否して僕や嫁に
怒られるよりも、まず「ごめんなしゃい」と謝っておこうと
いう卑屈な自己防衛を覚えてしまったものと思われる。

しかもRはそれだけではなく、水戸黄門に印籠を出されたかの
如く、地に頭を擦り付けて土下座すらするのである。

「…なんでこんな卑屈なマネを覚えたんだろう。君か?」

「私がそんなこと教えるわけないでしょ!」

「いや、あまりにも君が怖くて…」

と嫁に言いかけたところでやめた。嫁を誰よりも怖がっている
のは僕である。ひょっとして…?と思い当たることがありつつ
着替えていたら嫁のカミナリが飛んだ。

「あなた!靴下を洗濯機に入れる時は丸めたまま入れないの!
 ちゃんと伸ばして入れるの!洗う人のことを考えるの!」

「ひー!ごめんなしゃい!」

やはり…僕…しかいないよなあ。

親の背を見て子は育つ。僕は
嫁の顔見て身の毛立つ。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


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親族で水族館。

母の誕生日祝いということで品川のホテルに
中華バイキングを食べに行った。朝、支度を
していると

「はい、Rにこれを着せて」

嫁がぶん投げてきた娘・R(1才半)の服はというと

「なんだ、チャイナ服じゃないかよ!」

「いやー、中華だから」

嫁が中華への意気込みを見せた。しかし、その中華の
店に着いてみると、中華人民な雰囲気は一切なく、
単なるホテルのラウンジみたいな感じでありガッカリ。

「あらーかわいいわねー」

とRに声をかけてくれる店員も普通のホテルの従業員服。
中華料理店なんだからスリットバックリのチャイナドレス
でも着ておじさんをハアハアさせてくれよ!

photo

結局Rがただひとり誰よりも中国娘っぽかったのであった。

「水族館行くけー?」

食事の後、母の提案ですぐ近くにある水族館に向かった。
最近出来たこともあってか

「ギャー!なにこれ!」

ものすごい行列が出来ていた。館内のどこも人で溢れており、
魚よりも人の数の方が多く、どっちが見られている方か分かった
ものではなかった。かった。イルカのショーは30分待った割には
10分で終わってしまうし、Rはぐずって途中で寝てしまうし。

それでも母は僕らと孫の顔を見れて満足して帰って行ったが、
嫁は人ごみと暑さに参ってしまって疲労の色を隠せなかった。
僕らのすぐ側にいた男の子も

「パパー!もう帰りたいー!」

とお父さんにグズリまくっていて、どこの親も大変だなあと
思っていたらそのお父さん、

「うん、でもお父さんラーメン食べたいから!」

ものすごくジャイアンなオヤジであった。
僕は…ちょっと、できないなあ…。

そんなわけで暑さと人の海の品川。Rの誕生日も来月である。
誕生日プレゼントはどんな品川いいでしょう?なんつって。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


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