ネットを捨てよ。街に出よう。そして彼女を見つけろ。

嫁には弟がいる。独身で女っ気は感じれらない。

その義弟から嫁がこんなことを頼まれたそうだ。

「あなたのホームページ教えてって言われたよ」

「いやだ。絶対。断る」

「だから『身内には知られたくないらしいから教えられない』
 って答えておいたよ」

「そんな言い方じゃだめだよ!好奇心そそられて探しちゃう
 じゃないか!」

「ごめん。いきなり言われたもんだから、つい…」

「こういう時は『始めてすぐ飽きちゃったみたいで、何もない
 から見ても意味ないよ』って答えるのがベストだ」

「そうだねえ」

ここのサイトは死んでも教えられない。昨日の日記なんて嫁に
まぐわいをお願いして思いっきり断られた話である。こんな物
義弟に見られた日には、嫁一族全員に知らされることになるで
あろう。僕は嫁実家に行けなくなってしまう。

しかし、何故義弟は僕がサイトをやっていることを知っているの
だろうか?と疑問に思った。僕は教えていないはずだ。見られたく
ないのにわざわざ話すこともない。その答えは嫁と話していく内に
分かった。

どうやら嫁が娘・R(2才)とタク(生後1ヶ月)の写真日記をWEBに
アップしていることを言ったらしい。義弟は忙しくてなかなか子供
達に会えないから、せめてネットで見たい、だから教えてくれ、と
いう話のようだ。僕のサイトもその話の途中でポロッと出てしまった
ようだ。

義弟はまだ生まれたてのタクには会ってないが、Rのことは結構かわい
がってくれる。しかし今追いかけるべくは2才の姪よりも交尾可能な
年頃の女なのではないか、というのは余計なお世話だろうか。

「そういえばね、弟、こないだ誕生日だったんで家でケーキ食べたって
 言ってたよ」

「バースデーケーキを家で食べたの?ということは家族一緒に?」

「うん」

「彼女いないね。絶対。鉄板で」

「うん…」

義弟よ。くれぐれもこのサイトを探さないで、彼女を探すことだけに
専念してくれ。

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ヨバイヨバーイ!

利己的な遺伝子に従い、凝りもせず嫁に夜這いをかける。

仕事から帰って来てメシの準備などをしていたら嫁がモソモソと
起きて来たのでアイガッタチャンス。このタイミングを狙うのだ。
しかし育児で疲れ果てている嫁は

「いやー…やりませぬ」

の一点張り。挙句の果てには

「月イチぐらいでいいわ、そういうの」

と頻度まで決められてしまった。僕は水道局のおじさんか。

「どーもーメーターの検針でーす」

というノリで僕も

「どーもー月イチの女体定期点検でーす。入れポン」

こんな感じでやれというのか。あ、喩えが悪かったかもしれない。
よく考えたら水道局の検針は2カ月に1度であった。そこまで頻度を
落とされてはかなわぬ。僕は嫁に丁重にお願いし、三顧の礼ならぬ
ま○この礼をもって粘ってみたところ

「あーなんか目が覚めちゃったなあ」

とのことで遠回しにOKをもらう形になった。もう、照れ屋さんなん
だから。

「では夜分遅くすみませんが失礼します」

いざ開始しようとしたその時、息子・タクの夜泣きが始まった。嫁は
すさかず授乳をさせる。さすがにこの邪魔をする訳にはいかないので
タクが吸った後に思う存分乳を吸おうね、と臨戦態勢の我が体をなだめ
つつ待つことにした。

寝転がって授乳の様をしばし眺めていたが…気付いたら朝だった。
いつの間にか寝てしまっていたのだ。

「あああ、寝落ちしてしまった」

「まあ、タクの授乳してる時点でそうなるとは思ってたけどね」

嫁は分かったような顔をして笑った。おっぱい欲しさに泣くタクそっち
のけでおっぱじめる訳にもいかず、あの場では待つしかなかった。そして
性欲も睡眠欲も旺盛な自分の体に振り回される自分が情けなかい。

泣く子と亀頭には勝てぬ。

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ラーメン地獄道。

近所の下駄履きマンションの1区画ににラーメン屋が出来た。

娘・R(2才)を良く遊ばせに行く公園の向かい側で、教会の隣。

この区画は昔はパスタ屋があったが潰れ、その後焼きそば屋に
なったがすぐ潰れて以来空室だったのだ。住宅街の真ん中だし
立地条件が悪いのだろうと思っていたので、このラーメン屋も
正直そう長くは持たないだろうと勝手に失礼な予測をしていた。

ところが「あのラーメン屋は美味い」という噂が徐々に伝わって
来たのである。そんなわけで昼飯時に

「食べに行ってみない?」

と嫁に持ち掛けてみたところ

「あらいいじゃない」

乗り気になっていた。息子・タクのために良い母乳を作るべく
高野山の僧侶並みの厳しい菜食主義を強いられている嫁だが、
ラーメンぐらいはいいだろうと思った。外食の味は久しぶり
であるはずだし。家のすぐ近くだからタクを連れて行っても
さほど大変ではないだろう。

娘・R(2才)にとっても食べた後すぐ公園で遊べるので

「R、ラーメン食べた後は砂場で遊ぼう」

「らーめん、すなばー!」

彼女も大喜びであった。ラーメンひとつでテンションが盛り
上がる安上がりな我が家庭。意気揚々と出掛けることにした。
ところが…

「ギャー!シャッター閉まってる!」

なんと営業してないではないか。よく見ると貼り紙がしてあり

「肉離れで歩けないので1週間休業します〜店主」

とのことで…店主も災難だが僕らも災難。嫁は見る見る不機嫌
になり

「あなた午前中買い物してたでしょう?その時ちょっとでも
 確認しておけば良かったのよ!」

などと責められ、僕は非常にダークな気分になり、隣に見える
教会に駆け込んで救いを求めたくなった。

主よ、我等迷える家族を救いたまえ。ラーメン。なんつって。

もうどうしようもないので家にUターンすることになったが、
ここで暴れたのがRであった。

「すなばー!すなばー!」

遊びに行こうねと言ってしまったので大騒ぎである。R、ごめん。
僕の思い付きのひとことで嫁は怒るし娘は泣くし。つくづく僕は
泥舟の船頭であることよ。嫁にも娘にも愛想尽かされる日は近い
かもしれない。

麺の切れ目が縁の切れ目。

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海は広いなおいしいな。

娘・R(2才)を連れてネットのお友達ゆきやなちゃんの大学祭に行く。

彼女の大学はズバリ書くと弊害があるかもしれないので遠回しに
書くが、「海」に関することを専攻する大学であり、大学祭も
「深川丼」だとか「サンマ一匹25円」だとか、海の幸がお安く
振舞われていると聞いたので、浅ましくも出掛ける事とした。

「しらす干しかちりめんじゃこがあったら買ってきて」

留守番をしている嫁から届いたメールも、僕が魚屋にでも行く
ようなノリであった。

大学に着いてひと通り見渡すとマグロの解体ショーをやっており、
さすが海の大学であると感心した。しかしメイド姿で食物を売る
女装学生もおり、学祭で女装したがる男が必ずいるのはどこの大学
でも同じなのだなあとも思った。

電話でゆきやなちゃんに連絡したところ、迎えに来てくれた。胸に
大きなリボンをつけた可愛い女の子。不思議に思うのだが、彼女の
ような若くて可愛い子がどうしてうちの生活臭くて親父臭いサイト
に足を運んでいるのだろうか。彼女はRの手を引いて案内してくれた。

「R、新しいママだよ〜。なんつって」

「それヤバイっす!彼氏も来てるんですから!」

早速親父ギャグを発動して窘められてしまった。

ゆきやなちゃんの案内で、彼女の部が出している「深川丼」を
食べさせて貰っていたところ、彼女から2人のお友達を紹介して
もらった。その時もゆきやなちゃんはRと遊んでくれていたので、

「R、新しいママだよ〜。なんつって」

親父らしく同じギャグのリピートをしてしまったところ、何と
そのお友達の内のひとりが彼氏様であった。申し訳ありません。

その後たくさんのお友達の中に混ぜてもらって談笑。その中でも
ゴスロリ服を着ていたゆきやなちゃんの妹さんがかなり目立ち

「すごいねーゴスロリだねー」

「いえ、これは『黒ロリ』というんです」

「クロロリ?」

何だそのクロロホルムのような名前は…。どこがどう違うのか、
最後まで区別が付かなくて気絶しそうだった。一方でRは妹さんと
5分ぐらいで打ち解けてしまって、自らごにょごにょと話しかけて
いた。人見知りするRには珍しいことである。よく聞いてみたら妹
さんは保育士を目指しているそうで…。

徐々に寒くなって来たし、嫁には早く帰ってくるよう言われていた
ので、皆と別れて帰る事にした。帰り際にミスコンのチラシが目に
飛び込んできたので、これは引き返さなければとUターンしそうに
なったのだが、よく見ると

「ミスター・ミスコン」

海の男によるオカマコンテスト、とのことだったので速やかに帰った。
ミスコンひとつにもいちいちクレームがつく、世知辛いご時世の影響
なのだろうか。それとも単に海の男は女装好きなのだろうか。
さすが海の大学である。

ゲイやヒラメの舞踊り。

ゲイとオカマは違うけど…。

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パンツ落ちてました事件。

我が家のトイレに入ると、嫁のパンツが落ちていた。拾って
みると濡れている。まさに脱ぎたて染み付き臭い付き。

なんだお前も下着マニアか♪(電気GROOVE/電気ビリビリ)と
歌いそうになってしまったが、

…一体嫁はここで何をしていたのだろうか。

これが外での出来事であったらどんなに良かったか。持ち主は
誰か分からない故に色々なファンタジーを感じることが出来る。
勿論実際の持ち主はヤワラちゃん似の女性である、という悲劇
的な事実があるかもしれないが、見つけた者には分からない。

よって美少女女子高生のパンツであるとか、若奥様の生下着で
あるとか、妄想の赴くままにドリームをスパークできる自由と、
お持ち帰りして夜通しフィーバーし、そのままきれいに食べ
ちゃう自由がある。

しかしここは我が家。嫁以外のパンツであることは揺るぎよう
がない。今僕がつまんでいるものは、幻想も妄想も何一つ入り
込む余地のない、ただの汚れ下着に過ぎない。

僕はそのまま洗濯機に放り込んだ。そして考えた。何故トイレに
脱ぎ捨てたパンツがあったのか、嫁に聞くべきではないだろうか。
真実を知りたい好奇心と、いや、たとえ夫婦でもこれは見て見ぬ
フリをするべきではないかという羞恥心と、美少女の写真を撮り
まくる篠山紀信が頭の中で交錯し、迷った。

しかし嫁の顔を見た途端、口から出てしまった。

「嫁、トイレに君のパンツが落ちてたよ…」

「えええええ!それは失礼しました…」

嫁は大変動揺していた。やはり嫁がトイレで脱いだのだ。

「あ、ていうことは今ノーパン?」

「はいてるよ。取り替えたのよ」

「あ…」

そこで僕は全てを理解した。トイレに入った嫁は産後の悪露
(おろ:産後のおりもの)でパンツが汚れていることのに気が
付いたので着替えたのだ。ただ脱いだパンツを忘れてしまった
という…ただそれだけのことであった。

たかが嫁のパンツひとつ転がっていただけで、これだけ動揺
してしまったとは我ながら滑稽である。しかし平凡な日常の
中でこのようなちょっとした物に一喜一憂する。それの繰り
返しが人生の大半を占めるものなのかもしれない。

じーんせいは、ワンツーパンツ。

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