水もしたたるいい幼女。

そこそこ暑かった金曜日。

僕と嫁と娘・R(2才)は光が丘公園にいた。ここは大きな公園で、
1メートル幅ぐらいの人工の小川が流れており、子供達が裸足で
水遊びをしていた。

Rは彼らの姿をじっと見ていた。インドア派でオタクな僕の血を
引いているせいか、Rは汚れたり濡れたりする遊びをあまりしよう
としない。今回もRは尻込みしているのか迷っているのか…。

小川の中にはRと同じくらいの年の女の子もいる。丸々太った体に
宮川大助のような顔。派手に水しぶきを上げて突っ走る様はまるで
サバンナの水牛のよう。

あそこまで野生化しなくてもよいが、子供らしいアウトドア派ぶりには
惚れ惚れする。少しはRもあやかって欲しい。僕でさえ今でこそオタク
だが、子供の頃は子供らしく外を駆け回って遊び、背伸びをしたい
お年頃になってからはスカートめくりに励んだものだ。だからRにも
出来るはずである。オタクの子はオタク、と諦めてはいけない。

オタクはオタクに生まれるのではない。オタクになるのだ。

「Rもじゃぶじゃぶーって遊んでみるかい?」

意を決して水遊びの誘い水をかけたところ、Rは少し迷ったが

「くっく!くっく!」

靴を脱がせて、と水に入ることを決めた。おお、R、素敵だよ。
その姿は「私、脱ぐわ!」と決意した女優のように凛々しく、
僕が靴を脱がせるとソロソロと小川に入って行き

「きゃははははは!」

ものの10分もするとすっかり慣れてしまった。アウトドアの
子になってくれたようである。しかしはしゃぎ過ぎて先程の
水牛女児に向かって足で水をばっしゃんと掛けてしまい

「お嬢ちゃんごめんね。R!人に水を掛けちゃだめ!」

急激にアウトドア派になり過ぎたのを嫁が叱ったところ

「いえーい!ばしゃーん!」

他の子供にはやらなくなったが、僕にだけ水を浴びせるように
なってしまった。

「うわ。やめてくれ。僕は人じゃないのかー」

「いえーい!いえーい!ばしゃーん!」

Rがアウトドア派になってくれたのは嬉しいが、むごい。
いじめかこれは。僕は野比のび太のようにいじめられるが
ままで、悲鳴をあげることしか出来ない。

「助けてー。ホリエモーン」

あ、ライブドア派になっちゃった。

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