日出処の天使。

元隣人のジェームス君一家が我が家にやって来た。

ジェームス君はイギリス人、奥さんは日本人、そして
娘のサリーちゃんは僕の娘・R(2才)と一週間違いの
生まれのハーフである。

今日は合同でサリーちゃんとRの誕生パーティーをする
のである。嫁はその為にモールや「HAPPYBIRTHDAY」の
ポップやらで家の中を飾り付けをしたが、その結果、
中学校の文化祭の喫茶店のような、何とも言えない
チープなデコレイトな様相になってしまった。

「…お前って変なところにだけ情熱を傾けるよな」

「あらそう?ほほほ」

そしてジェームス君一家が到着。半年ぶりに見るサリー
ちゃんは、ブロンドの髪が伸び、顔も大人っぽく成長し、
養子にしたいくらい可愛くなっていた。

photo

ケーキを目の前にしてニタニタするR。

この日の為に僕と嫁は、Rに天使のコスプレをさせるべく、
羽根とお姫様のようなティアラ(輪っかの代わり)を用意
していた。しかし

「めーーっ!」

Rは激しく拒否。まだこの世に生を受けて2年。世俗に染ま
らず、僕らの中で誰よりも天使に近い存在だというのに。

「じゃあサリーちゃん着るかい?」

Rがダメならサリーちゃんである。幸いなことに彼女は喜んで
羽根とティアラを付けてくれた。すると見よ。まるで宗教画の
天使がそのまま抜け出て来たかのようではないか。

ハーフだけれども金髪で、見た目も殆ど英国人のサリーちゃん。
流石本場モンは違う。日本本場モン協会(NHK)が何時嗅ぎ付けて
来てもおかしくない美しさ。

さすが大英帝国のクリスチャン。所詮東洋の島国・真言宗豊山派
の血を引く我々がやっても紛い物でしかなかったのだ。しかし
バッタ物であっても愛娘が一番可愛いのが親である。なので

「Rー。ちょっとだけでも着ようよ、ね?」

僕はしつこくおねだりしてみたのだが、

「いやーーー!めーーーっ!」

泣きながら暴れ回り、僕に容赦なく蹴りをガスガス入れるので
あった。これ、親を蹴る奴があるか。

この子は天使などではなく悪魔っ子なのかもしれない…。

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