背中が露出した服は、危険と背中合わせ。

娘・Rがこんな服を着ていた。

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ぱっと見メイド服のように思えたので僕は大いに喜び、

「Rよ、僕が息を引き取る時はメイド服を着て死に水を
 取って欲しい。冥土の土産に」

思わず遺言状を書きたくなるほど人生に悔いがなくなり、
幸せな気分で満ち足りた。

しかし後ろ姿を見てみたところ、どうもおかしい。背中の
ボタンで服を留めるようになっているのだが、そのボタンが
服の最上部、Rのうなじの下あたりに1箇所しかないのだ。
そこを頂点に服は背中で二等辺三角形にばっくりと割れ、
背中から下が丸見えなのである。

「嫁〜。この服、随分と風通しが良いみたいだけど…」

「夏だからね!」

嫁は僕の疑問をたった一言で論破してしまった。そういう
ものなのだろうか。僕はファッションヘルスには敏いが
ファッションには疎い。「月火水木金正日」とか書かれた
Tシャツこそがおしゃれ最先端であり渋谷系裏原系小椋佳〜
みたいな感覚にて駄目である。

背中を露出し、ちょうちんブルマーのようなアンダースコート
のようなものを、チラチラと見せパンの如くちらつかせる様は
池袋北口あたりに立っている南米系ビッチのよう。それとも
そういう目で見る僕が悪いのか。

露出度の高い女性の服は歓迎であるが、さすがに我が愛娘が
そのような服を好んで着るようになってしまったら

「お前はどこの立ちんぼだこらー!」

と怒鳴りつけてしまいそうでパピーちょっと心配。今回は嫁の
セレクションなので良しとしたけれども。

などと考えていたらRが

「だっこ…」

抱っこをせがんできたので抱き上げたところ見よ、言わぬ事
ではない、Rの背中に蚊が止まったではないか。早速悪い虫が
ついてしまった!

「お前如き双翅目に我が愛しき処女の血はやらん!」

直ちに叩き落した。そして

「父は君を守ったよ。さあ背中に何て書いたか分かるかナ?」

思わずRの背中に指で「スキ」と書いてしまった。可愛かったので、
つい…。このように背中露出度の高い服は、僕を限りなく危ない
親父にしかねない。だからお勧めしない。

僕の背中が煤けてしまう…。
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