デジカメをデバカメする娘。

親馬鹿なのでデジカメにて娘・R(2才)を撮りまくって
いる僕であるが、最近それが困難になってきている。

というのもRにカメラを向けるとすぐさま走って来て、
液晶画面でプレビューを見せろとせがむからである。

「Rがこっちに来ちゃうと写せないでしょうが」

良い子はカメラを向けられたらにっこり笑ってポーズを
とるのですって教わらなかったのか?

すまん、教えてなかった。

Rを振り解いてまたカメラを向けると、Rも再び僕の後ろを
取る。ぐるぐるとお互いを追いかけ回す。まるで海岸を円を
描いて追いかけっこをするカップルになったかのよう。
おのずと妄想も湧いて出てくる。

「パパ、どうしたの、早く私を捕まえて」

「フフフ、君と太陽が眩し過ぎて、よく見えないんだ」

「それはパパが昨日の昼間から朝まで寝まくっていたからよ。
 私より寝てどうすんのよ」

そう。それで嫁の逆鱗に触れて今朝からシカトされまくって
おり、もういっそのことぐるぐる回りまくってバターになって
しまいたいのだが、それはまた別の話。バター嫌いだし。

あまりRをじらすと泣いてしまうので、ひととおり海岸デート
ごっこを堪能した後、デジカメに収録された画像を1枚ずつ
プレビューしてやる。Rはニコニコとこの上ない笑顔を見せて
ご満悦。ほとんどがRを写した画像であり、時々別人物が写って
いるものに指を差して突っ込みを入れる。

「あ、まま」

いや、それは栃木のばあちゃんだ。嫁が聞いたら怒るぞ。

「さ、おしまい」

全ての画像を見せ終わったので、今度こそは写真を撮らせて
くれたまえとプレビューをオフにし、撮影モードにしたのだが

「めー!めーよー!」

猛烈に抗議して僕からデジカメを奪い返すR。

「もう1回見たいのか?同じのだよ?」

Rはふんふんと頷く。仕方がないので初めからプレビューの
やり直しである。

「あ、まま」

だからそれは君の祖母だ!

しかし僕も一緒になってRの膨大な画像を見ていると、色々な表情を
出せるようになったと思う。笑顔。怒った顔。泣き顔。拗ねた顔。
ちょっと媚びた色っぽい顔。ハナクソほじってるマヌケ面まである。
R、恐ろしい子!

この子は千の仮面を持つ少女なのかもしれない…!

ガラスのデジ仮面。なんつって。
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