ホリデーにパークでスパーク。

嫁と娘・R(1才)を連れて光が丘公園という大きな
公園に行った。

Rを好きなだけ遊ばせるにはもってこいの場所である。
更に嫁にはもうひとつ目的があった。

「公園の奥の方に焼き立てパンの売店があるのよ!」

ということで食い意地が張っており、やる気充分。
嫁は、前世は南蛮人じゃないかと疑いたくなる程パン好きであるが
ゴハン党の僕にはどうでもよい話である。せいぜい興味があるのは
はみパンとかひもパンとかそういう類である。

嫁が首尾よく焼き立てパンをゲットした後、

「うきゃー」

Rは公園の中をどんどん奥へ歩いてゆく。しかし歩みは遅いので
僕と嫁はRを追いつつ優雅に散歩をし、やがて草野球場に辿り着いた。

見ると歩道にボールがコロコロと転がって来た。それを野球チームの
マネージャーらしき女の子が捕らえ、高いフェンス越しに投げ返そうと
するところであった。

「女の子の肩で届くかしら」

嫁は興味深そうに眺めていたが、マネージャー女子の放った
ボールは楽々フェンスを越え、野球場の中に帰って行った。

「へえ、肩いいなあ」

などと嫁は感心していたが僕はそう思わなかった。
野球部のマネージャーといえば部員のむさい男達を相手にする
仕事である。時により愛のキャッチボールな仲にもなろう。
上杉達也は朝倉南を愛しています、とか。だから

「やっぱ野球部のマネージャーだもの、球と玉の扱いには
 慣れてるんだろうよ」

と嫁にしたり顔で言ったら

「…こんな下品な人を選ぶんじゃなかった」

侮蔑の眼差しを僕に食らわせつつ、Rの手を繋いで遠ざかって
行ってしまった、いや嫁よ、このひと言だけで即座に理解して
しまうお前もどうかと思うぞ。僕は慌てて走り嫁に追い付くと

「あっ!テニスコートもある!」

嫁は野球場の向かいにあるテニスコートを見つけて
素っ頓狂な声を上げているところだったので

「あなた〜を待つの〜ペニスコート♪」

思わず歌いそうになってしまったが抑えた。いかんいかん。
これ以上駄目押ししては公園に置き去りにされ、ひとりで
散歩をする羽目になってしまう。

「お前のボデーにサービスエースでセットポイントだぜ!
 ああダメよキャプテン、そこはフォールトよ」

最低低低の寸劇まで考えたが自制した。いかんいかん。
ここは春のうららの光が丘公園。お下劣ネタは似合わない。

暖かい日差しを浴びながら、爽やかにちんぽするのである。

いや、散歩するのである。いかんいかん。
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