叩けボンゴ、響けヤマンバ。

嫁を激怒させた前日の無断酒飲み。

言い訳になるが、最初から飲みの予定ではなく、
軽くお茶をするのみで、娘・R(1才)を風呂に
入れる時間までには帰ろうと思っていたのだが、
その辺は僕の意志の弱さに全てに責がある。

東京に初めて来たというそのインターネッツのお友達を

「え、ここがヤマンバがいることで有名な、渋谷センター街で
 ございます」

などといい加減に渋谷案内をしていたところ

「ヤマンバ見たいです!どこにいるんですか!」

と、あらぬ期待を持たせてしまったので申し訳なく思い、

「すみません、実はもうヤマンバは2年ほど見てません。
 多分絶滅したんじゃないかと…」

時代はヤマンバよりマツケンサンバであり、正直に謝った。
それでも一度センター街を歩いてみたいとおっしゃるので
ぷらぷらと雑踏の中を泳いでいたら…

…いた。某ファストフードの入り口付近の客席に、
今時珍しい絵に描いたようなヤマンバがふたり。

顔は汚く黒ずみ、髪もボサボサのメッシュ。口にピアスを下げ、
足をだらしなく組み、ハンバーガーを不味そうにくちゃくちゃと
食べている。細かいことを言うと、彼女らはヤマンバではなく、
その第二世代と言われている「マンバ」かもしれぬ…などと考えたが
おじさんには区別つかないのでヤマンバと見做すこととした。

「…ちょっと、さりげなく前方を見て下さい」

そしてこっそりとお相手の方の肩を叩いて教えると

「キャー!あれですね!あれがヤマンバですね!」

ヤマンバ・イズ・スティル・アライブ。
ああ、喜んでもらってよかった。

ヤマンバを見た時には、家に帰ったら嫁がヤマンバより怖い
形相で待ち受けているとは思いもよらなかった。

まさにヤマンバより恐ろしいオニ…(自粛)

こういうことを書いていると全然反省してないように見え、
嫁の怒りは収まるどころか、それこそ出刃包丁を研ぎそうな
気配である…。

反省してます。でも怖くて口が利けません。
修羅場ラバンバ。修羅場が山ん場。
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