高い高ーい。怖い怖ーい。

嫁とは断絶状態でも娘・R(1才)は僕のところに
抱きついて甘えてくる。

こんなダメオヤジでも慕ってくれるのか、それとも
この重い雰囲気を彼女なりに悟り、明るく振舞って
くれているのか…。

「あだ!ふにゅーん!」

Rの「ダッコせよ」という意思表示に従い、

「高い高ーい!」

両手を高く上げ、Rの体を持ち上げる。キャアキャアと
Rを叫ばせて、よっこい庄一と降ろしたのだが、

「ヒイイイ!」

Rは泣いて嫌がり、足腰に力を入れず立とうとしない。
また若い娘をヒイヒイ言わして足腰立たなくさせてしまった。
己のテクニークが怖い…

というのでは勿論なく、「もっと高い高いせよ」と要求して
いるのである。普段なら4〜5回もやれば満足しているのに
珍しいことよ、と

高い高ーい!
高い高ーい!
高い高ーい!
鬼は外ー!

僕はヤケになって体力の限界までRを持ち上げ、腕が上がらなくなる
まで続けた。Rも結構重くなったもので、これがいい運動である。

運動の後は腹が減る。ゴハンは既に出来ているのは知っている。
僕は恐る恐る嫁にお伺いを立てた。

「あの…ゴハン食べていいですか」

「勝手にどうぞ」

食えない嫁…!と憤るも背に腹は変えられず、辛うじて抑えて
ボソボソと飯を食ったのであった。

娘を抱いて高い高い。そして腕が上がらず。
嫁は敷居が高い高い。そして頭が上がらず。

何とかしたい和解和解。
いっそ僕チン他界他界…。
.

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