かわいい先生、ハイハイ。

娘・R(2才)が通うお遊戯教室のクリスマス発表会があった。

お遊戯マスター・ヨシコ先生(推定年齢20代後半〜30台前半:怖くて
誰も聞けない)の指導の下、今月に入ってから

「発表会のために練習しましょー」

と色々なお遊戯をやったものの、どれを発表会でやるとかは全然
知らされてなく、練習そのものもわりとユルユルであった。

もっとも2才児達をいくら綿密に練習させたところで覚えられる
のはたかが知れているからであろう。しかし親は真剣である。
親もお遊戯の間に子供を持ち上げるとか重要な役割があるのだ。

息子・タク(2ヶ月)が産まれてからは、嫁の代わりに僕が出来る
だけRを連れて行っていたので、発表会の今日も僕がその役目を
果たすべくRとスタンバっていた。嫁はタクを抱いてギャラリー席
で座っていたが、

「あのさ、私が代わろうか?」

始まる直前にニヤニヤと言い出したので、何故に土壇場になって…
と断ろうとしたのだが、周りを見ると子供と演じようとしている
父親は僕だけなのである。あとはみんなママ。

「人妻の中にぃ〜オヤジがひとりぃ〜」

と囃し立てられるのではないかと急に恥ずかしくなって嫁とチェンジ
した。以後僕はカメラ役となった。

さて発表会が始まったものの、結局は先生が前に立って

「さあ歌って踊りましょー」

と手本を見せて子供達が踊るという、つまりいつもの教室と変わらぬ
内容だった。ギャラリーも身内だけである。どこが発表会なのか…と
首を捻っていたら、お遊戯も20分程度で終わってしまった。そこで
今迄ピアノ演奏していたヨシコ先生(既婚か未婚か不明:怖くて誰も
聞けない)がススス…と正面に現れ、

「それでは〜次はワタシのピアノのミニコンサートということで…」

照れ笑いをしながらニコリと挨拶をした。発表会のメインって実は
コレだったのでは…恐るべしヨシコ先生(彼氏or旦那がいるか不明:
怖くて誰も聞けない)。彼女の本職はピアニストであるらしい。

挨拶の後ヨシコ先生は姿を消した。

「先生どこ行っちゃったのかしら」

「着替えてるのよ。ほらさっきまでジャージだったじゃない」

「そか。一応コンサートなのにそれじゃサマにならないもんねえ」

「そういえば、化粧だけはいつもよりしっかりしてたわよ」

僕の隣の人妻達は言いたい放題。おばちゃんかあんたら。
やがてヨシコ先生は綺麗なドレスに身を包み戻ってきた。

「しぇんしぇい、かわいいねえムフフ」

Rが2才児とは思えない嬲るような口調で感想を述べた。
おっさんかあんたは。

無事に発表会を終え、夕飯の時にテレビを見ていたら山田邦子が
映っていた。それを見たRがひとこと。

「かわいいねえ」

Rの「かわいい」はストライクゾーンが広すぎるようだ。
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