揺れない乳への揺れる思い。

「おっぱいをあげるのはそろそろやめて下さい」

嫁が保健所の栄養士に言われたらしく、ションボリしていた。

何をー!僕が嫁の乳を貪ろうが貪るまいがイチイチ
一役所の雇われ栄養士風情が口挟むんじゃねー!

と、思ったら僕ではなく娘・R(1才)の授乳のことらしかった。
もうそんな時期になったのねえ…。

Rは母乳は大好きだが離乳食はあまり食べない。
嫁は離乳食の後に必ず母乳を与えているのだが
それがいけないらしい。Rは後でおっぱいがあるのを
分かっているから食べないのだという。

「もうRにおっぱいあげられないなんて悲しい〜」

授乳はRの栄養補給のためのみならず、
肌と肌が触れ合うコミュニケーションである。

Rに乳を吸われることで親子のつながりを
感じていた嫁。それが禁じられる寂しさは良く分かる。

僕も嫁がちんちんを吸ってくれないので寂しいのだ。

しかし、いつかは乳離れをしなければならない。
母乳を与える喜びは無くなるかもしれないが、
「ママ」と呼んでくれる喜びが近い将来待っている。

そんなわけで3回の授乳をとりあえず2回に減らしてみれば
ということになった。がんぼれ嫁。

Rも成長していく。乳飲み子は娘っ子になっていくのである。

で、翌日。嫁は何やら苦しそうだった。

「あなた…胸が張ってしょうがないのおおおお!」

いきなり胸元をバイーンとおっぴろげ、
パンパンに張りまくった乳を僕に見せたのであった。

おいこらちょっと待て。

昔は自分からは決してそんなことはしない
奥ゆかしい娘っ子だったのに。

娘っ子はおばさんになっていくようである。
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