レモンと悶々。

昨日、嫁が作った餃子を食べながら思い出した。

餃子は故郷栃木の県都、宇都宮の名物であったことよ。

名物である証拠に、宇都宮駅前には「餃子の女神像」という明らかに
「やってしまった…」感が漂うオブジェがある。栃木県人は餃子を
神にまで祀り上げた世界で唯一の民族なのである。

それと隠れた宇都宮名物がもうひとつ…

その名も「レモン牛乳」

「牛乳にレモンの果汁を入れると固まるんじゃなかったか…?」

栃木を知らない友人に話したら、このようなことを言われたが
心配は無用である。牛乳瓶には「果汁0%」と堂々と明記されており、
自らをバッタモノと認めている潔い商品であった。

見た目からして牛乳に絵の具をぶちこみ、無理矢理黄色くしたような
ケミカルな色合い。味もレモンとは程遠くミルクセーキに近い。
飲むと舌にザラザラとした感触が残り、間違いなく早死にしそうな
爽快感を与えてくれた。

同じ栃木でも僕が住んでいた南部では見たことがなく、宇都宮に遊びに
行く度にこれを買って飲んでいた。友達へのお土産にしたこともある。

餃子を頬張りながらアレは今でも売っているのだろうか…と思い
調べてみたら驚いたことにまだ健在であった。ネットの記事によると、
レモン牛乳の製造元である関東牛乳という企業は廃業になったものの、
それを惜しんだ栃木乳業という会社が製造を引き継いでいるのだそうだ。

なんだ、僕の実家がある町の会社じゃないか。

そうすると、現在はおらが町の駄菓子屋辺りでも売ってるかも知れん。
今度実家に帰ったら探してみよう。そして嫁にも飲ませてやるのだ。

いにしえの乙女達が頬を染めた言葉に「ファーストキスはレモン味」
というものがある。僕らもふたりでレモン牛乳を飲めば、現在の倦怠感
溢るる夫婦間にも、付き合い始めたあの頃のようにレモンの香りが乗った
新鮮な風が吹くかもしれない。

ときめきの恋心が蘇ったならば、すさかず本場栃木の餃子をたらふく食う。
ガンガンぶちこまれたニンニクにより精力がUP。その餃子パワーにより
夜は激しく燃え上がりOH!モーレツ!ということには…ならないかねえ。

小川ギョーザ。
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