餃子の合掌。

夜中、嫁に飯の支度をしてもらっていたら
その物音で娘・R(1才)が起きてしまい泣き出した。

僕がRを抱いてあやしていてもRは

「ふえ、ふえ」

身を乗り出して嫁の方に行きたいらしく

「はいはい。あとはお皿に乗せるだけだから」

嫁に抱っこをチェンジ。フライパンを手に取ると、今日の飯は
餃子であるらしい。早速餃子を皿に盛りつけようとしたのだが

「あの…餃子がフライパンにくっついて離れないぞ」

嫁の作る餃子はこういったことが多い。嫁はあら、おほほと
照れ隠しの笑いをした後、Rを更にぎゅっと抱きしめ

「私とRも一心同体!くっついて離れないの!」

などと言ってごまかし、先程僕が抱っこ拒否されたことを
強調し、私がRと一番仲がいいのよ、ということをアピールした。

「あのね、そもそもその前に僕と君がくっついて
 離れないことをしたからRが出来たんじゃないか」

と面白くない僕はそう反論しても

「そうだっけ。そんなことは忘れたわ」

とても冷たい返事をよこすのみであった。仕方がないので
皮がめくれあがった餃子をひとり寂しくボソボソと食べたのだが、
皮が固くて固くてとてもよろしくない。しかし嫁には怖くて
言えなかった。何故ならば

「あの…皮が固すぎるんだけど」

などと言っても

「私とRも一心同体!固い絆で結ばれているの!」

そうごまかすに決まっているだろうし

「あのね、そもそも僕が固い棒のようなものを使ったから
 Rが出来たんじゃないか」

と面白くない僕はこう反論しても

「そうだっけ。そんなことは忘れたわ」

またとぼけられて夫婦の仲の冷たさをまざまざと再確認
する羽目になるのだろうし。

餃子も冷たけりゃ嫁も冷たい今日この頃。
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