「積木」とかけて「努力」と解く。その心は『どちらも積み重ねが大事でしょう』

弟が娘・R(1才)にくれた積木がある。
Rはこれを気に入っている。時々積木の箱に入って

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自ら「箱入り娘」などという持ちネタを披露している。

さて、Rは深夜にムクリと起き出すことがままある。
すぐ寝てくれればいいのだが、おもちゃを漁り出してしまう。
この日は積木の箱に手が伸びた。しかしRは自分でうまく積木の
箱を開けることが出来ない。そこで

「んでゅ?んでゅ?」

文字にするとこんな風になるだろうか、Rはこんな声を発した。
何かをして欲しい時に発する声だ。この場合は「箱を開けてよパパン」
という意味である。

「もう。積木は明日よ!」

傍らの嫁はRの夜更かしを制しようとするのだが

「んでゅ!んでゅ!」

一方でRは聞く耳持たず、声が大きく荒くなって行く。
僕も「早く寝ようね」などと言ってRを寝かそうとするのだが

「んでゅ!んでゅ!…プギャアアアア!」

Rは遂に泣き出し、手を振り回して箱をばんばん叩き、他のおもちゃを
掴んでは投げ始めた。

Rがこんなに反抗するとは驚きだった。いつもはおもちゃを
他の子にぶん捕られてもポケーとしていることが多いので、
穏やかな娘であることよ、と思っていたのだ。なかなかどうして、
本当は結構な癇癪持ちであるのやも知れぬ…。

「プギャアアア!プギャアアア!」

Rはいよいよ爆竹のように泣き叫び始めたので

「嫁よ、ごめん。僕は甘い父親なんだなあ」

積木の箱をぱかっと開けてやった。嫁は苦笑いしていた。
Rはピタリと泣き止み、早速積木を鷲掴みにする。僕もいくつかを
手に取り、縦に積んでみた。するとRは嬉しそうに

「だーーーーー!」

がっしゃこ、と叩いて崩してしまうではないか。もう一度積んでみる。

「だーーーーー!」

がっしゃこ。何度繰り返してもRが狙いすまして崩してしまう。
ぼ、僕は一生懸命「積木タワー」と作ろうとしてるのに邪魔
するんじゃない!しかしRにはウケている。叩き崩すのが面白いらしい。

仕方がないので僕は一つ積んでは娘のため…二つ積んでも娘のため…
賽の河原の餓鬼のように繰り返し積んでいく。

これぞまさに「積木くずし」

昔流行ったドラマの名前である。娘がグレにグレまくって
家庭が崩壊してしまうドラマ…。これはRもそのように
なってしまうという予兆なのであろうか?

Rのあばれはっちゃくな素質の片鱗を垣間見た思いである。
そうなると昨日の日記にも書いたが、やはりRに冬服のセーラー服を
買い与えて着せなければなるまい。

そのココロは無論「セーラー服ときかん坊」である。

(古いドラマタイトルが続くなあ…)

Rはしばらく積木に飽きそうもない。僕は嫁に向かって

「Rも積木くずしに夢中なことだし、僕らも松葉くずしに
 夢中にならないかい?」

と、夜のお勤めに誘おうとしたのだが…既に寝ていた。

「んでゅ?んでゅ?」

Rの真似しておねだりしても嫁の耳には届かないのであった。
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