「魂のかたわれ」を求めて、なんじゃわれ。

6年ぶりに単行本が発売された、大河演劇マンガ
「ガラスの仮面」にどっぷり浸かってしまい最早ダメである。

長い間待たされていた「ガラカメ」フリークとして再び血がたぎり、
作品中の「おそろしい子!」「なんて子!」などという独特で
インパクトのある言い回しの名台詞がついこの日記にも出てしまう。

ところでこの物語の中の劇中劇「紅天女」では、梅の精・紅天女と
仏師・一真の激しい恋が次のように語られるシーンがある。

神が人を地に降ろす時、もともとひとつであった魂を
陰と陽のふたつに分け、別々の肉の身に宿らせた。別れた魂は
出会えば互いに惹かれあい、ふたつに分かれたもう半分
の自分、「魂のかたわれ」を求めて止まぬという。

それが恋なのであると。

このエピソオドに僕は強く心を打たれるのである。
僕の「魂のかたわれ」とは一体誰なのであろうか…。

ま、誰も何も一応人並みではあるが恋愛して結婚しているの
だから、「わが嫁である」としておくのが至極当然であろう。

そんなわけで夜、僕は「魂のかたわれ」であるところの
嫁とひとつになりたくなったので、嫁が床に就いたところを
見計らい僕も布団に潜り込んだ。

しかし嫁はつれなく背をこちらに向けて寝ていた。

「なあ、おまえさま…私の『魂のかたわれ』…」

僕は嫁の尻をねっとりと撫でながら言い寄ったが

「はあ?」

ガラカメを知らぬ嫁は当然何のことだか分からぬ。

「人は『魂のかたわれ』を乞い求め…」

などと言っても嫁は最早見向きもせず、徹底無視の
狸寝入りを決め込むだけであった。

嫁自身は娘・R(1才)を産んで以来、そっち方面の欲は
全く失せてしまったらしいが、しかし、だからといって
これは冷たすぎる仕打ちではないのだろうか。

もう一度恨みがましく嫁の尻をねろりんと撫でてみた。
反応がなかった。既に本気で寝てしまったようである。

「魂のかたわれ」だと思っていたら単なる
「嫁のケツワレ」だったというお話。

こうして夫婦の仲は冷めていく。
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