はっけよい、まぐわった。

部屋の中をパンツいっちょうで歩いていたら

「そのパンツ派手だよね…」

と嫁の視線が熱かった。だいぶ前に貰ったものだ。
確か会社同僚の海外旅行土産だったか。

それは金色の地に象が描かれていて僕の手持ちパンツの中で
一番派手。シルク製と書かれてあるので一番高いパンツでもある。

他のパンツは嫁が西友とかイトーヨーカドーでわざわざ
面白がって見つけてきたピカチュウ柄のパンツばかりなので
間違いない。

最もゴージャスなパンツ、即ちコレ勝負パンツ。

しかし僕はもう勝負できる身分にない。僕には妻と娘がいる故。
そう思うと無常なる遁世感が心に漂ってくる。

象さんパンツの中にはエレファントの鼻よりよりエレガントなものが
しまわれているというのに。勝負すること自体は可能なのに、
許されぬ身。

ここに来て一昔前、ちょんまげが結えなくなった故に引退したと
噂されたスモウレスラー・北勝海の気持ちが分かったような気がする。

相撲もアレも似たようなものがある。
両方とも肌と肌がぶつかりあい、汗と汗が入り混じる。

相撲のガチンコ勝負は素晴らしいし、
アレの時のナニも素晴らしく文字通りガチンコである。

相撲の取り組みの時は塩をまくが、
アレの取り組みの時は潮を吹くことがある。

相撲の取り組みの前にはシコを踏むが
アレの取り組みの時にはシコシコしてくれる時がある。

…書いててどんどんおやじになってきたので結論を急ぐ。

僕は勝負パンツを使うことによる「勝負」を今一度してみたいと
思うが。許される相手は嫁しかいない。

では嫁と勝負すればよいだけの話だがそうもいかぬ。
嫁とはもう付き合いが長いので、勝負までの盛り上がりというか、
かけひきや緊張がまるでないのだ。これでは勝負とは呼べぬ。

それとは別に、嫁とは同居している故に、相撲のような
ガチンコ勝負ができない理由がもうひとつある。それは何か。

答え:

相撲では同部屋対決はできないでしょう。なんつってうひゃひゃ。

嫁が取り組みを避けるので「不戦勝」が多い僕である。
.

Trackbacks

< 親の親の顔が見たい!|TOP|冬のマロとソナタ。 >