ピンポンダッシュの嫁。

僕と娘・R(1才)が風邪を引いて一週間ぐらい経っただろうか。
わりと長引いている感じである。それを憂いた嫁が聞きなれぬ
言葉を吐いた。

「ピンポンカンセンなんじゃないの?」

別に卓球少女愛ちゃんの観戦なぞしたくないなあ…と
思ったら「ピンポン感染」と書くのだそうだ。
初めて聞く言葉だがニュアンスは大体見当がつく。

例えば僕が性病になって、誰かに伝染したとする。
お互い治りきらないままリビドオの赴くままに
まぐわってしまうと何時まで経っても伝染しあって
いわばエンドレス性病状態。こういうことを言うのであろう。

「うふふ…僕とRの愛のラリー…」

僕はRと同じ風邪を共有することに血の繋がり以上の一体感を覚え
ひとりで感激し悶絶していたら

「はあ?何言ってんの?」

嫁にそういうことじゃないとたしなめられたので

「じゃあ…お互い治るまでお前とRで実家に戻っているか?」

ピンポン感染を止めるにはこれしかないではないかと
まじめに提案したところ嫁は目を輝かせ

「え、ほんとに?R、許可が出たわよ!じゃあとっとと帰りましょう!」

嬉々として今にも身支度を整えようとするではないか。
風邪引きの僕をひとり残すのは心配だわ、とか
アナタと離れ離れになるなんて寂しいわウフーン、とか
ちょっとはそれぐらい言ってくれてもいいじゃないか。

それなのにピンポン玉どころか鉄砲玉のごとく飛び出す勢い。
このどうしても解せない僕の胸の内、どうやって晴らしてくれよう。

そのいち。すぐさま嫁を押し倒して熱いベーゼをお見舞いし
嫁にも風邪を伝染させる。

これをピンポイント感染といいます。

そのに。すぐさま嫁を押し倒して実家に帰る前に最後のまぐわいを、
と称しみだらな行為を強行する。

これをチンポン感染といい…。

嫁にとって僕は最早、ヴィールスと子種を撒き散らす
害獣でしかないのだろうか。

実家に帰ってもいいから必ず戻ってきてね。
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