梅は咲いたか花粉はまだかいな
嫁がハナタレになっている。
毎年この時期花粉症で鼻がズビズバーパパパヤー。今年は娘・R(2才)も鼻をぐずぐずいわせている。Rはまだ自分で鼻がかめないため、鼻が詰まると
「ぱぱ、おはな…」
まさに助けてパパーヤー、と救いを求めて来る。そろそろ自分で出来てもいいのに、と考えているので
「はい、自分でちーん出来るかな?」
我が家のコノハナカムヤ姫にティッシュラペーパーを渡すのだが、まだイヤイヤをしてダメである。Rも花粉症なのかもしれない。2年半前はR自身が(植物で言うところの)花粉だったのに、可哀想なことである。更に、息子・タク(5ヶ月)もよく見るとガビガビハナクソが付いていたりして、僕を除いて皆鼻汁まみれになってしまった。汁マニアファミリーの誕生である。
夜中、嫁は鼻の穴にティッシュを突っ込みボーっと呆けた顔をしてタクに乳を与えていた。以前はそれだけは絶対しなかったのに…。
僕も花粉症ではないがハウスダストアレルギーなので、溢れ出す鼻汁の苦しみは分かる。僕は迷わずティッシュを鼻に突っ込むことにしている。だから嫁が花粉症で苦しんでる時も
「ティッシュ鼻に突っ込んでた方が楽だよ」
と言ってみても、かつてラブラブ一直線だったころの嫁は
「そんなみっともない姿、あなたの前でしたくありませんもの」
と恥じらいをもって拒んだものだ。穴の中に入れるのは僕の例のアレのみ、という誠に天晴れな乙女であったのに今は躊躇がない。その代わり例のアレはなかなか入れてくれなくなった。アレはティッシュ以下の存在となってしまったようだ。
翌朝、嫁は引き続き調子が悪いようで
「ひょっとしたら風邪かも」
風邪と花粉症の二重苦ではないか、と言った。
「辛かったら連絡しなよ。午後だったらなんとか帰れるから」
仕事であった僕はそう嫁に言い残して会社に行ったのだが、嫁からは連絡がなかった。
「どうよ。大丈夫か?」
昼休み明けぐらいにメールを送ってみたら
「まあなんとか」
滅茶苦茶にテンションが低い、微妙なひとことが返って来た。嫁も娘も息子も皆鼻がグズグズ言っているのに、何故僕だけ平気なのだろうか。
きっと僕だけこの家の子ではないのでは…。きっとそうだわ。僕だけ神田川の橋の下で拾われたんだわ。
嫁がこの有様だから夜の生活を強いるわけにもいかぬ。スギ花粉だけで散々なのに、あんたまで(植物で言うところの)花粉を撒き散らさないで欲しい、などと言われそうだ。
僕の花粉がだめならせめて接吻ぐらいは…と思う僕であった。
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