朝は淑女のように。夜は爆竹のように。

へろへろ〜んと携帯アラームが鳴って
目覚める朝。娘・R(1才)もむっくりと起きる。

「うふふふ」

寝起きなのに異様にテンションが高いRは、早速
ジタバタと絵本を持って来て

「でぃ?」

読め、と僕に差し出すのであった。はいはい、
読みますよ…。

「いぬ、わんわんわんわん。
 ねこ、にゃんにゃんにゃんにゃん。
 ふみきり、かんかんかんかん。 
 じどうしゃ、ぶーぶーぶーぶー」

…ああ、いかぬ。読んでる内に眠くなってしまった。
おやじ、ぐーぐーぐーぐー。

「ゴメン。あと10分だけ寝かせて」

Rの頭を撫でて、ぼふっと布団に突っ伏したのだが

「うあああああ!」

Rが許しませぬぞよとばかりに雄叫びを上げ、
僕の頭をガスガスと容赦なく引っ叩く。

「へい。分かりました。では読みます。
 赤ちゃん、えーんえーんえーんえーん…」

駄目だ。やはり眠い。お父ちゃんはな、絵本より
素敵な夢を見て君に話してあげるんだよ…と
再び寝ようとするのだが

「うわああああ!」

また同じことの繰り返し。夢より現実に重きを置く1才児R。
結局二度寝はできなかった。

そして夜…。Rが夜泣きでぐずっていた。

「おーよしよし」

僕があやしても手をぶんぶん振り

「あっち行け」

とばかりにギャアアと泣き叫ぶ。朝はあれだけ甘えてきたのに…。
絵本も読みたくないですか。そうですか。

父はひとり寂しく絵露本でも見よう…。


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妊娠3ヶ月。

仕事中、産婦人科の診断に行っている嫁から

「お腹の子は順調に育ってます」

とのメールが入った。ああ、まだ見ぬ健気な長男もしくは
次女よ…。会える予定は10月。現在3ヶ月目に入ったとのことで、
逆算してみると今年の秘め初めの産物に間違いない。

年末ジャンボは買わなかったが、
年初のチ○ポは大当たりだった。

しかし娘・R(1才)の時は、いつのまぐわいによるものか
特定出来ないぐらい乱射していたのに、それに比べると
寂しい趣がある。現在もこの診断のために2週間以上も
まぐわい禁止令を出されているのであるが…。

夜、会社から帰ってくると嫁の姿がなかった。
暫くして便所の扉がギイイと開いたかと思うと、
そこから出てきたのは…ヒイイ!花子さん!
ではなくて、やつれた嫁。トイレに籠もっていたのだ。
ひと目でつわりがひどいことが分かった。

「順調な結果でよかった。大丈夫か?」

「よかったけど、よくない。またケロケロしちゃった」

「ま、体を大事に…ほれ、休んで…」

嫁の肩をポンと叩いて寝床に誘った。嫁は溜息を付いて
寝返りを打ったが、驚くべき発言をした。

「こんなに気持ち悪くなかったら、解禁後初のエッチを
 しようと思ったんだけどなあ…」

なんと、自らを「枯れた」と言って憚らない嫁が、自分から
「イタシタイ…」と言ってくるとは。西からお日様が昇るよりも
稀有なことである。

「何!それは聞き捨てならん!そうとなったら話は別だ!
 いざ交わらん!いざそこに直れ、そこに寝れ!」

「気持ち悪いって言ってるでしょー!ダメ!」

だったら最初からその気にさせるようなことを
言わないで欲しかった…。

妊娠してるのに否認するとはこれ如何に。
Rがいるのに育児なし(意気地無し)と言うが如し。


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ゴザがござりませぬ。

娘・R(1才)が気兼ねなく遊べる場所を求め、
代々木公園に行った。

原宿駅から代々木公園までの道には色々な人種がいる。
神宮橋にはゴスロリ少女(美少女はいなかった)や甘ロリ
少女(美少女はいなかった)及びヴィジュアル系少女
(くどいようだが美少女はいなかった)がたまっているし、

公園に入ってもロカビリーの人達が踊りまくっていたり、

photo
2ちゃんねらーっぽい集団が怪しげな宴を繰り広げていた。

僕にとっては見慣れた光景だが、Rには全ての人種が
未知との遭遇だったに違いない。

「あっ!ゴザ忘れた!もうなんで忘れたのかしら!」

とヒステリックにわめく嫁を尻目に

「さ、R、遊びなさい」

公園の芝生でRをベビーカーから降ろしてやった。
いつものRだと喜んで駆けずり回るのだが、今日は
どうも勝手が違う。

近くで高校生ぐらいのグループがダンスの練習を
しているのを発見。R、ここでも未知との遭遇。

「なになに?なにしてるの〜?」

とばかりにモソモソと近付き、じいーっと見たまま
動かなくなってしまった。オーディエンスが幼児のみ
ということで練習しづらそうな高校生達ではあった。

そこを離れると、今度はゴザを引いて宴会をやっている
グループに未知との遭遇。Rはこれまたテクテク近付いて
じーっと立ち止まり、

「キャー!可愛いー!お目々が大きくて可愛いー!」

とお姉さんから黄色い声を浴びていた。僕はつい最近
「目が波田陽区に似ている」と言われショックを受けたが、
ああ、Rに遺伝しなくて良かった…と密かに感動していた。

そして今日一番の未知との遭遇。それは犬であった。

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散歩に来ていた犬がRにどどどど…と大接近。
Rは犬をTVで見たり、道端で見かける時は

「わんわん」

と言って指差して喜ぶのだが、こんな至近距離に
なったのは初めて。さて、どうなるか…。

結果:固まってしまった。

やがて飼い主が連れて帰ると、金縛りから解かれて
「ひええん」と泣き出してしまった。怖かったようだ。

しかしRの機嫌が悪い時などに僕が近付くと、Rは容赦なく
平手打ちを飛ばしてくる。ということは、Rは僕より犬を
恐れているということにはなるまいか。

Rの様々な未知との遭遇。
父には冷遇。


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えろっ子だってね、スシ食いねえ。

嫁が寿司を食いたいと言う。

俺はお前のアワビが食いたいのじゃー!

というおやじ臭いシャウトは汚れなき娘・R(1才)の
前であったので控え、回転寿司に行った。

嫁もRもバクバク食べる食べる。
Rにはナマモノは駄目だが、火の通っているネタを
選んでやると、すごい勢いで食べていた。

この時もRは稲荷寿司だったら食べられるなと思い

「お父さんのおイナリを食べるかい?」

というおやじ臭いヒューモアが浮かんだが、汚れなき
Rの前かつ食事中であったので控え、黙って食べさせた。

また、アナゴも火が通ってるから食べられるなと思い

「お父さんの一本アナゴを食べるかい?」

というおやじ臭いヒューモアも浮かんだが、汚れなき
Rの前かつ食事中、さらに嫁に回転寿司のコンベア上に
投げ込まれる恐れがあったので控え、黙って食べさせた。

「ふにゃあん、ふにゃあん」

Rが食うだけ食ったら早速眠気が襲ってきたようだ。
食べかけの寿司にも反応せず、フニャフニャとマグロに
なってしまい、寝てしまった。

「ふわー!お腹苦しい!」

怪獣モットクレロンの如く、呪われたように食っていた嫁も、
家に帰ると横になりゴロゴロしていた。襲うなら今だと僕は
判断し、嫁に覆いかぶさって

「なあ、5分だけ目をつぶっててくれれば
 ええんや。すぐ終わるからお願いや」

と、愛のささやきを発してみたのだが

「…はあ?」

全くもってつれない反応しかなく。嫁もまたマグロであったわ。
一体いつまで契ることができないのだろうか。
嫁にとっては回転寿司に行っても回春寿司には
ならなかったようである。 

こうなったらお父さん、花びら大回転寿司とかに
行っちゃいますよ!?


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抱いてくれたらいいのに。

ふふふ。嫁以外の若い女と抱き合って寝てしまった。

無論若い女とは娘・R(1才)のことである。
ちょっと若過ぎたか。しかしこんなことは初めてだ。

Rは嫁にしがみついて寝る。嫁が抱き寝をしているのである。
見ているだけで寝苦しそうだし、寝付くまで嫁は何も出来ないし、
代わってやりたいとは思うのだが僕じゃダメなのである。

夜のRは何故か僕をとことん嫌う。目を合わせただけで
手をブンブンと振り回し、

「ひえええん!(アッチ行け!)」

と拒絶する。朝は両手を広げてダッコしてチョと甘えてくるのに…。
このことについては嫁から

「愛が足りないからであり、育児しないからである」

と厳しく非難を受けている…。それが昨日の晩は嫁が音を上げた。
Rは夜泣きで絶叫しているのだが、嫁はひどいつわりのため
身動きが取れず、背を向けて寝たまま辛うじて

「お母さん、ダッコできないのよ!」

悲痛な叫びを搾り出すのみという修羅場になっていた。
嫁も憐れなら娘も憐れ。僕はダメと分かりつつもRを抱き上げた。
Rは力の限り僕の腕から脱出しようと試み、ワンワン泣いて
いたが、やがて泣き疲れてヒックヒックと余韻を残しながら
眠りに落ちて行った。

その後、僕も寝た。明け方だったろうか。僕の胸に何か重いものが
乗ってきて、身動きが取れなくなり目覚めた。
なんと、Rが抱きついてきたのである。
一瞬金縛り+落ち武者の霊かなんかと思ったが…。

あれほど僕に抱かれて寝ることを嫌っていたRなのに。
彼女なりに嫁のギブアップ状態を悟ったのか、それとも
ようやく父の愛が通じたのか。

難攻不落のハクいスケを口説き落としたような感動がある。
重いけど…寝苦しいけど…だがそれがいい。
Rの体を感じながら押し潰されて死ぬるのなら本望である。

腹上死は世の中にたくさんあれど、
腹下死というのはそうもなかろうて。


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