児童快感。

トキオ。やさしい女が眠る街(沢田研二/TOKIO)
T・E・C・H・N・O・P・O・L・I・S、トキオ(YMO/TECHNOPOLIS)
トキオ、どうしてあなたはトキオなの?(シェイクスピア/トキオとジュリエット)

などなど古今東西において魅力を謳われる街トキオ。その中でも
1才半の娘・Rを抱える僕と嫁にとって更に魅力的であったのが
シヴヤにある「東京都児童会館」である。

ここにRを遊ばせるために初めて行ってみた。結果、大成功。
広いスペースの中におもちゃ・遊具がどっさりとある。ミニチュアの
キッチンと大量の食器・野菜・果物の大量のおもちゃに囲まれて
夢中になって遊ぶR。食器を運んだり料理の真似事をしたり、
そのテキパキとした台所さばきは平野レミをも凌ぐとすら思われた。

「ボクも一緒に遊んでいい?」

Rを見守る僕と嫁のところに、ひとりの男の子がやって来た。
残念ながらRはまだ他の子と遊ぶことを知らない。おもちゃに夢中のまま
である。しかし男の子はくじけず人懐っこく僕に話し掛けて来る。留吉
(昨日の日記参照)とは違い、なかなかよい子のようである。

「いいよ、一緒に遊ぼう」

「じゃあボクお父さん役ね!だってボク、幼稚園じゃ一番大きいんだ!
 じゃ、お仕事に行ってきまーす!」

「あ、待って、君がお父さんなら僕は何役なんだようー!」

男の子は早速お父さん役としてさっそうと出勤してしまった。
仕方ない、隠居ジジイの役でもやってるか。

「はあー最近リウマチがひどくてのう。温泉でも行きたいわい。
 よっこいしょういちっと。Rさんや、メシはまだかいメシは…」

Rに呼び掛けてみると、Rは皿に包丁を載せて持って来た。
死ねということだろうか…。

ところでお父さんは帰りが遅い。残業か、飲み会か、はてまた
不倫か…と思っていたところにようやく戻って来た。

「ごめんね。ボク、一緒に遊べなくなっちゃった。いろいろと
 仕事があってね!じゃあね!」

僕は手を振って男の子を見送った…なんだ、仕事って。
サバサバとしていて小奇麗で、いかにも都会っ子な感じ。
野蛮かつドン臭かった僕ら田舎の子供達とは違い、トキオで
暮らす子供達は、どこかスマートで垢抜けている。

トキオとトチギの違いなのか、それとも時代の違いなのかは
分からないが…。Rもいわゆる都会っ子として育つのだろうか。

ままごとのみならず遊び場の中を縦横無尽に駆け回っているRを
見て、そんなことを考えた。

トーキーオー駆ける少女ー。
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娘、監禁の危機。

とあるデパートの子供を遊ばせるスペースで、娘・R(1才半)を
遊ばせていた時のこと…。

プレイハウスというのだろうか、ミニチュアの家にRは釘付けと
なった。Rぐらいの子供だったら3人は入れる大きさの家の中に
籠もったまま、キッチンのおもちゃで真剣に遊ぶ。インドアの中で
更にインドア志向の娘。これも血だろうか。

そこに5〜2才ぐらいの兄弟と思われる3人の子供達が乱入して来た。
Rはその中の一番小さな男の子にあっさりとキッチンのおもちゃを
奪われ、隅に追いやられてしまった。その男の子は坊主頭のジャガ
イモのような顔をしており、「留吉」という名前がピッタリなので
以後そう呼ぶことにする。

留吉達は3人はチマチマとおもちゃで遊ぶRとは違い、狭いハウスの中で
大暴れし、只でさえ満員の状態なのに熊のぬいぐるみとかを窓からボン
ボン投げ入れ、痴漢天国のラッシュアワー埼京線のような過密状態。

Rは身動きが取れず、隅っこで棒立ちのままの壁の花となってしまった。
「一緒に遊んでー」と喋れるわけでもなく、留吉達もRには見向きもしない。

さあR、どうする…。ライオンは我が子を千尋の谷に落とすという。
これはRの試練。諺にもあった筈だ。千と千尋の谷落とし。違うか。

しかしRのにっちもさっちもどうにもブルドッグ状態の悲しい姿を
見ていたら、愛しさとせつなさと心弱さが湧き上がり、

「さあ、R、出よう。おいで」

つい手を差し伸べてしまった。Rはヨチヨチと留吉達の隙間をかき分け、
ハウスのドアを開けて、出ようとした。ところが手がぬうと伸びて来て

「ばたん」

ドアを閉めてしまった者が!留吉だった。ドアの戻りに押されたRは
ペタンと尻餅を付き、とうとう泣き出してしまった。

「ピヤアアアアア!」

Rが泣こうが留吉は顔色ひとつ変えずにドアを押さえたまま。
留吉…恐ろしい子!Rが監禁されてしまった!

「留、いやボク、ごめんね、この子出してあげてね〜」

僕はハウスの中からRを抱き上げて救出した。トメキッちゃん、
そばに親がいなければ身ぐるみ剥がして強制割礼の刑に処す
ところだゾ。

ひょっとしたら留吉はRと遊びたかったのかもしれない。
うまく誘うことが出来なかったゆえの監禁未遂。

しかし留吉、うちのRはやらん。
お父さんは面食いなの。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


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バリバリバーバリー伝説。

嫁が欲しがっていたバーバリーの帽子を求めて池袋
西武百貨店に行った。

ブランドもんなぞ買うのは久しぶりなので、広い店内での
立ち回り方に戸惑いしばし途方に暮れる。

嫁と「あっちだ」「いや、こっちだ」と娘・R(1才半)が
乗るベビーカーを転がしながら、ようやく4階のショップに
辿り着いた。

ディスプレイされてある帽子を手に取ると、値札に

「18,900円」

と書いてあったので軽く意識が三途の川まで飛びそうになった。
帽子ごときで18,900円?慣れない所に来るものではない。
庶民がセレブーの世界に片足を突っ込んでもハナヂブーになるのが
関の山である。

同じ帽子にこの金額を出すのなら、反対側の西口の風俗店、
「めちゃ×2ヌけてるーん」でゴムの帽子を所望したほうが良い。

一方で嫁は僕とは別の意味で顔を曇らせていた。

「あれ?ちょっと私が求めていたのとは違う…」

どうやら嫁の目当ての帽子とは若干デザインが違うようで、
店の人を捕まえて問い合わせてみると、

「ブルーレーベルというバーバリーの若い人向けブランドが
 2階にあるんですが、そこにあるかもしれません。」

スーツ姿のツンツンした女店員が教えてくれた。若者向け?
へえーそんなのがあるんですか、などと素っ頓狂に答えていた
僕らは、きっと彼女には

「ぶるーれーべるっつぅブラントがあんだべしった。
 知らねかったよはー。」

ついさっき栃木から上京してきたような、垢抜けない貧乏人に
映っていたに違いない。恥ずかしい限りである。かつてはハマの
ブランド小僧と言われた僕だったのに…。

言われるがままに2階に降りて行くとなるほど、4階のアダルツな
雰囲気とは違い、ギャルっぽい品揃えのショップが現れた。
店員も乳が見えそうで見せない、見せる気がないならちゃんと
しまっとけ、なんだそのだらしない襟元は、と怒りたくなるような
ルーズなキャミソール姿。

そこで嫁はお目当ての帽子を見つけた。値段も若者向けであった。
ひょっとしたら4階で客をビビらせといて、2階で安心させた隙に
買わせる連係プレイなのでは…などと穿ってみたが、嫁は嬉しそうに
していたので迷うことなく買った。

「R、君にも買ってやろうか?」

ベビーカーでおとなしく良い子にしているRにも帽子をポンと
被せてみた。Rにはブカブカだった帽子が目の下まで覆ってしまい

「フギャアアー!」

「何してんのよあなたああ!」

Rには泣かれ、嫁には怒られてしまった。Rにはまだブランド物は
早過ぎたか。ブランド物なんて無駄無駄無駄無駄ー!

ディオ・ブランドー(このオチ分かる人何人いるだろう) 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


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サンシャイン60とサンシャイン6。

嫁の誕生日祝いにランチバイキングなるところに
行くことになった。

場所は不思議な不思議な池袋。東が西武で西東武。
高くそびえるサンシャイン60である。

ちなみにウチの近くにはサンシャイン6というビル
がある。
photo

娘・R(1才半)は途中の電車の中で腹が減ってしまい、
オニギリ与えたところ半分食べたところであっさり昼寝と
なってしまった。なんて安く出来た娘なのだろう。

サンシャインの58階にあるレストランは見晴らしが
抜群で、夜になったら多分BARになるんだと思う。

「この夜景の明かりの数だけ君にキスしたいラビューン」

などという本気汁満タンの男が女を口説き落としに
使いそうなエッチな雰囲気が昼間ながらそこはかとなく
漂っていた。

「あー…こんなのんびりと食事するのは久しぶり」

昼寝中のため、Rから開放された嫁はここぞとばかりに
ドッチャリと盛られた料理を食う。Rはデザートに差し
掛かったところで目覚めた、

早速Rにもゴハンを食べさせたが、特にチョコレートムースの
ケーキを気に入ったようで、指で直に突っ込んでねろりん
ねろりんと舐めまくっていた。

そんな感じでちょっとリッチなランチになった嫁の誕生日。
夜は僕が嫁に指でねろりんねろりん舐めまくったり。
久しぶりにちょっとエッチに。

サンシャイン60は夜になると階数が高くなり、
サンシャイン69になったのであった。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


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誕生日の嫁と、まだ誕生日もないお腹の子と。

嫁の誕生日であった。

しかし誕生日を祝う前に午前中は産婦人科の定期健診である。
嫁は妊娠6ヶ月目。嫁は今まで助産院に行っていたのだが、
今日はそこと提携している産婦人科に行けということなので
初めてなのである。

僕は例によって付き添い+娘・R(1才半)のお守。
電車で約30分かけて着いた病院は古くて小さな産婦人科。

「ちょっとトイレ行ってくるね」

ばたん、と、嫁がトイレに入ってしまってもRは以前の様に
泣き叫んだりせず、待合室で大人しくしていた。成長した
ものである。Rはそれから何が楽しいのか知らないが、延々と
下駄箱を開けたり閉めたりしていた。成長したというよりも
根暗になったのかもしれない…。

ようやく嫁の名前が呼ばれ、僕とRも一緒に診察室に入った。
先生は60を越えた位の初老の男性だった。まず、嫁が現在の
状態や過去の妊娠・出産経験などを聞かれる。

「過去の妊娠経験回数は…」

「重い病気の経験は…」

先生は不審尋問の警察官よりも無愛想でボソボソとした
口調で喋る。しかし看護婦さんが診察室に入ってくると

「君!ちょうどよかった!血圧を計っておいてくれたまえ!」

急にでかい声で指示し、ダダダッと部屋を出て行ってしまった。
すわ嫁の体に何か、と一瞬焦ったが、先程嫁がトイレに入った時の
ドアを閉める音と同じ音が聞こえた。

「…先生、おしっこですか」

僕が看護婦さんに聞いてみると

「は、はあ、我慢してたんですかねえ」

何とも情けない表情でしゅこしゅこと血圧を計っていた。
やがて先生は何事もなかったかのように戻って来て嫁をベッドに
寝かせてお腹を診察する。しかしちゃんと診てるのかよ、と突っ込みを
入れたくなる程の簡単な触診のみで

「………健康………順調」

命の灯が消える直前のような震えた小さな声で喋るので、僕は
先生の健康が順調なのかどうか心配になってしまった。

次に先生はお腹の中のエコーの投影を始めた。エコーの画面は
白黒で、あやしげな心霊写真のように分かりにくいのだけれども、
これまでの先生なら

「ここが頭で…あ、今、手を振ってますね」

などと解説してくれるので、我が子の成長が確認出来て嬉しい
ものである。しかしこの老先生は、10秒ほど投影しただけで

「………はい」

終わりかいーーーーーーーーー!

結局ごくごく普通の通り一遍の診察だけで終わってしまった。
いくらか心配が残る僕と嫁。帰り道、話しながら歩いた。

「なんか、ものすごくおざなりな診察っぽかったね」

「でもあの先生、評判いいのよ」

「あれで?でもまあ順調で何も異常がなかったから
 簡単に終わったんだろうね」

「そうかもねー」

そう思うことにしよう。「案ずるより産むが易し」だ。

「でもね、初診料6,000円も取られちゃった」

「ええっ。高っ!」

案ずるより産むが易し。だが安くはないようである。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


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