ハードゲイのためなら女房も泣かす。

土曜日は娘・R(2才)のリトミック(お遊戯)教室の日なので
嫁が連れて行った。リトミックとは大まかにいうとお遊戯である。

「キャベツがきゃっきゃっきゃ。
 白菜くさいくさいくさい。
 人参にんにんにん」

というような一見とてもシュールな歌に合わせ「きゃっきゃっきゃ」
のところでは手を広げてヒラヒラさせ、「くさいくさいくさい」の
ところでは鼻をつまみ、「にんにんにん」のところでは忍者のように
智拳印を結ぶ、といった歌+ポージングのお遊戯を教わっている。

しかし帰ってきた嫁が溜息交じりで言うには

「R、なかなか踊ってくれないのよー」

なかなかお遊戯してくれないらしい。僕も子供の頃は野に咲く花も
恥らうような紅顔のシャイBOYであったから、その性格を引き継いで
いるのだろう。今は睾丸の美中年なのでランバダだって踊っちゃうが。

その夜。皆でテレビを見ていたらハードゲイが登場した。

余談ではあるが、このハードゲイを見るたびに僕はRight Said Fred
(ライトセッドフレッド)というイギリスのグループを思い出す。

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Right Said Fred(「I'm Too Sexy」のビデオクリップより)

12〜3年前にゲイでマッチョでスキンヘッドのボディビルダーという
とても強烈なキャラクターを活かして、「I'm Too Sexy」なる曲で
スケスケメッシュのシャツや、無意味に上半身裸の姿で腰をクネクネ
させて踊りながら

「オレはセクシーすぎる、俺はセクシーすぎるぜー」

と下から股間を舐め回すような低音ボイスで大人気を博し、瞬く間に
全英チャート1位になった後、瞬く間に一発屋として消えていった。
ハードゲイも同じ道を歩むのだろうと思うと目頭が熱くなるである。

話を戻す。恐らくRがハードゲイを見るのはこれが初めて。

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ハードゲイでーす。フォー!

例のポーズが画面に映ったや否や

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「ふぉー」

R、初見でハードゲイポージングをマスター(写真は何故かスリッパ
に手を突っ込みながらのもの)

「何故!こんなのはすぐできるのに何故お遊戯はできないのよ!」

嫁が悲しみの声を上げた。よいではないか。どんなお遊戯・踊り・
ポージングに拘わらず全てを吸収していく時期だと思う。

フォー!だろうが何だろうが色々な事を覚えて欲しい。それがきっかけ
となって何かの才能が開くこともある。昔の人も言いました。

ハードゲイは身を助く。
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