娘のバースデー。父のリバースデー。

娘・Rが2才になった。

「Rちゃん、何才?」

と聞いてみると

「あんしゃい!」

いくら教えても「にさい」とは言えず、単にオウム返しを
するのみではあるが、2才である。しかし「2」をあらわす
ピースサインはできる。この時期にこれができることは
嫁に言わせると凄いことなのだという。

Rは変なところが器用だ。足の指でハンカチをつまむことも
できる。僕も足の指で嫁の乳首をつまんで大いに怒られた
ことがあるが、無駄な遺伝を引いていると言えよう。

Rが生まれてもう2年。あっという間だった。言葉は単語だけ
しか発せられないが語彙が増えた。「これしまって」等こちら
から言うことには素直に聞く。素直だが異様に頑固に自己主張
することもある。ドタドタと走り回れる。階段は手摺りがあれば
昇り降りできる。ジャンプはもう少しでできる。握り箸だがご飯
をすくって食べられる。危なっかしいがコップで水を飲める。
人見知りはまだする。友達と一緒に遊ぶことはできない。トイレは
トレーニング中。初潮はまだ来ない。来てたまるか。

Rの成長した証を色々思い浮かべながら

「R、誕生日おめでとう。こんな物ですまんがプレゼントだよ」

前日の飲み会のビンゴ大会で偶々ゲットしたミッキーマウスの
腕時計を付けてあげた。今週先週の土日共それぞれ嫁と僕の
実家に行っていたため、プレゼントを買う暇がなかったのだ。
それでもご満悦そうなRの顔を見て

「じゃあ僕はちょっとトイレに…」

腰を上げた途端にRが泣き出した。

「うわああん!だっこ!だっこ!」

成長はしたが益々甘えん坊になってしまったようである。娘可愛し
トイレには行きたし。ああどうしよう。RやRや、汝を如何せん。
アンビバレンツなドツボ状態に陥った僕。それを見ていた嫁が

「Rちゃんもトイレに行けば?パパと一緒におしっこしーって」

助け舟を出してくれたのだが…すまん。
本当は固形物も排泄したいの。

未だ全ての恥を捨てきれない33才の夏。僕はトイレを我慢して
出勤の時間までひたすらRを抱き続けるのであった。

Rは2才。
僕はうんこく才。
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