クール・ミズ。

朝起きると嫁はあまりの暑さにブチ切れていた。

「プールに行こう!」

ということになり豊島園に行くことになった。

どうせ家族連れの人達でいっぱいのしょぼいプールだろう、
と侮っていたがさにあらず、ギャルもわんさかわんさかで
イェーイイェーイイェイェーイ。

デートで来ているカップルや女子高生女子大生グループと
思われるギャル達。皆豊満である。特にデートで積極的に
プールに来れる女の子というのはやはりそれなりに胸に
自信があってのことなのだろうと思った。胸がないのは
うちの嫁ぐらいに思えた。

そんな高密度のおっぱい達に囲まれた豊島園はおっぱい
パラダイス。略してオッパラ。いい響きだ。

天に向かって乳を吐くぐらいの勢いでツンと尖がっている
ギャルの胸。オッパラー!

今まさに花開かんとばかりに瑞々しく揺れる女子高生の
胸。オッパラー!

喫煙所でダルそうに煙を吐いている芦屋雁之助似のオヤジ
の腹。デッパラー!

さて、僕は娘・R(もうすぐ2才)を浮き輪に乗せ、ヒモを
引っ張って泳がせていたが、つい乳達に目を奪われていた
隙に、Rは前のめりになって顔から水に突っ込んでしまった。

「フギャアアア!」

爆竹のように泣き狂ったRは、しばらく水に入るのを怖がって
しまいプールに近付こうともしなかった。それをなだめすかして
ようやく再び浅いプールに入るようになったのだが、僕が再び
乳鑑賞に耽っていた隙に、いつの間にか見知らぬ男の子がRの
手を繋いでどこかに連れて行こうとしているではないか!

Rがナンパされてるー!わりゃあウチの娘に何してけつかんじゃ!

その男の子はRに浮き輪をポンとかぶせ、どうやら一緒に遊びた
かったらしいのだが、そこでRはまたもや

「フギャアアア!」

火が付いたように泣き叫び、男の子のナンパは失敗に終わった。

「はいはい。ボクごめんねー」

Rを抱きかかえてプールから引き上げることにした。
帰り道、電車から降りた途端、嫁が

「ケータイ、トイレに忘れてきちゃった…」

顔面蒼白になっていた。

「おれが探しに行こうか?」

「いえ、自分で行く。あなたはRをお願い」

再び豊島園にとんぼ返りしていった。胸もなく、携帯もなくした
その嫁の姿はとても不憫に思えた…。
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