嫁の神経を魚で。

好き嫌いが多い僕である。

そのため僕に出せる料理の幅が狭くなり、嫁が苦労している
のだと思われるが、どうも肉中心の、牛めしの松屋のような
メニューが日々繰り返しローテーションされているなあと
感じる今日この頃であった。なので

「たまには魚もいいかもね」

今は季節じゃないが、秋刀魚をただ焼いただけのものでもいい、
そう思って嫁にポツリと言ったのが悲劇の始まりであった。

翌日、鍋の中を覗いてみたらむわんと嫌な感じの匂いが。
中には煮魚が入っていた。

…しまった。嫁よ、そう来たか。

好き嫌いが激しくて重ね重ね申し訳ないことであるが、僕は
魚の料理のうち煮魚だけは嫌いなのであった。そこまで嫁に
指示をしなかった僕が悪いのであるが、

「何でよりによって煮魚なんだよ」

という悔しさもチロリと無くもなかったので、

「僕、焼き魚食べたかったんだなあ…」

今更言ってもどうしようもないことではあるし、嫁の
性格からして怒らせるだけかもしれないけれども…と
恐る恐るひと言申し上げてみると

「網がこげるから焼き魚は嫌いなの!」

と、よく分からないことを言い返されたので

「僕、焼き魚が好きなの」

もう一度繰り返し申し上げてみると

「じゃあ自分で焼け!」

ツンと寝床に入って行ってしまった。やはり怒らせて
しまった。僕の好き嫌いにいちいち付き合ってられん、
といったところだろうか。

じゃあ今度作ってあげるね、とか他に言いようはないのか、
などとも思ったが、これ以上突っかかっても嫁はとっとと
娘・R(1才)を連れて実家に帰ってしまい、

「焼き魚でも女でも好きなだけ勝手に作れ!」

ということになってしまうので、大人しく煮魚を
頂戴致した。

何とか魚は食べられたが、やはり嫁だけは煮ても
焼いても食えないようだ。

さかなさかなさかなーさかなーをーたべるとー。
よめがよめがよめがーよめがーこわくなるー。
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