踊る大妄想戦。

「ねえ〜リトミックやらせていい?」

嫁が娘・R(1才)に「リトミック」という習い事を始めさせたいと
言ってきた。

リトミックとは?

スイスの音楽教育家・作曲家であったエミール・ジャック=ダルクローズ(1865〜1950)に
よって提唱された音楽教育の考え方です。音楽と動きを融合した教育スタイルに特徴があります。


http://www.geocities.co.jp/MusicHall/1270/q_a01.htm#q10
より抜粋。

よく分からぬ。おそらく「お遊戯」がその範疇に入るのであろうか?
「おかあさんといっしょ」の

あわてたアヒルがあ、あ♪イカれたイルカがい、い♪とか。

「それとは違う」

嫁は否定した。では具体的にはどんなものであるか説明せよと
申したところ

「うーん。もっと規則的な音楽が繰り返しで勉強っぽい…」

ちっとも具体的ではなく、さっぱり分からぬ。不十分な知識であるが、
推測すると、しかし音楽を媒体として体を動かすことによって感性を磨く。
音楽に慣れ親しむ…。ということであろうか?

規則的な音楽といえばミニマルテクノ。僕がクラブでミニマルテクノに
合わせてズンドコ踊りまくるのもリトミックの延長上にあると言えない
こともない。違うと言われるだろうけど。さすればこの教育により将来
一緒にクラブに行ってくれるかもしれない。

「今夜は一晩中パパと踊るの」

なんていう将来像が思い浮かび心も躍る。
ダンシングオールナイト。
キスミーオールナイトロング。
タッチミーオールナイトロング。
金玉が右に寄っちゃったオールナイトロング。

しかし僕とは違った方向の音楽の嗜好になってしまう
恐れもある。ゴスロリに身を包みヴィジュアル系を追っかけ、
ライヴハウスでヘドバンしまくり、そしてライヴ後はバンドの
メンバーにガブリ寄りを掛け食われてしまう…という火の玉娘に
なってしまってはパパちょっとついて行けない。

ゴスロリは好きだがあれは高価な服なので、おねだりされると
ちょっと厳しい…。そして僕が知っているで、売れないバンド
マンの彼女になった女の子はあまり幸せな目に会っていない。

「ゴスロリ高いから、あと売れない音楽屋は金と女に
 だらしがないからダメ」

「は?」

「あ、いや…」

考えが飛び過ぎた。

「こないだ体験入学しに行ったんだけどね、普段は
 大人しいRがおおはしゃぎで暴れまくってね…」

あれは昨日までのRではない。Rは生まれ変わった。
ネオRよ…などと嫁も興奮気味にブツブツ呟いていたので
OKすることとした。

とにかくどんな教育でもいいから、早く僕を「パパ」と
呼んで欲しい。そのリトミックとやらで天才バカボンの
歌でもかけてくれればいいのだが。

パパだかーらー。パパなのだー。

どんな音楽をかけるのかとても興味があった。
そして今日第1回のレッスンが行われるという。

「僕も付いてって見ることができるんだよね」

「え、そんな人いないよ。留守番お願いね」

「ええ、そんな」

土曜の休日を娘の音楽も嫁もいないひとりぼっちで
過ごす羽目になってしまった。

ノーミュージック・ノーワイフ。
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