かなまら祭り〜男根神輿が街を練り歩く〜

川崎の金山神社の「かなまら祭り」に行った。
嫁と娘・R(1才)と、美人OLちあきちゃんとお友達のフジモリ氏の5人で。
写真は祭りの中、街を練り歩く神輿である。言うまでもなく男根である。ヒンドゥー教で言うところのリンガである。


金山神社は金山比古神・金山比売神という鍛冶の夫婦神を祭っている。
江戸時代川崎宿の飯盛女達の願掛けに端を発し、「かなまら祭り」が行われる
ようになった。商売繁盛・子孫繁栄・安産・縁結び・夫婦和合のご利益が
あるという。

これは僕の幼稚な推測だが、金山神社と「かなまら(男根)」の繋がりは、

「天の金山の鉄を取りて、鍛人天津麻羅を求めて」

という古事記の一文に登場する同じ鍛冶の神・天津麻羅(あまつまら・
天地真理ではない)に関係するのでは、と思うのだが南方熊楠でも
読んで研究したほうがいいのかも知れない。

近年ではフランス人ジャーナリストに紹介されてからはエイズ除けの
祭りとして世界的に有名になり、「ウタマロフェスティバル」と呼ばれ、
また電気グルーヴのピエール瀧も雑誌のコラムで紹介したりして、
ますます有名になった。確かに外国人(それもゲイっぽい)が多く
集まっていた。

この日、街に出撃した男根神輿は3基。その中で最も巨大でビザールな
ものが冒頭の写真の「エリザベス神輿」である。亀戸の女装クラブ
「エリザベス会館」所有のもので、オカマさん達がこの日集結し、



「でっかいマラ!かーなーまーら!」

と、声だけは野太い男になって担いでいく。掛け声は時々

「オカモト!オカモト!」

何故かコンドームのメーカーを連呼していたりして、僕はもう嬉しくて
しょうがなかったのだが、嫁はというと、

「私は楽しくない。電車の中でモロ出しされた痴漢を思い出す…」

思わぬ心の傷を甦らせてしまった。すまぬ嫁。落ち着いてくれ。
これは縁起物だと思ってくれ。

嫁のみならず、汚れ無き愛娘・Rにもこんな物を見せるのはどうか、
と良心が痛んだが、幸か不幸か神輿の周りはもの凄い人だかりで、
小さなRには見えなかったと思う。敢えて肩車して見せようとも
しなかった。当のRは掛け声だけは聞こえていたようで、それに
合わせて叩いておりノリノリであったが…おそろしい子!
Rはそのうちお昼寝になってしまった。

一方フジモリ氏は神輿に付いている紙垂(シデ:ギザギザの紙)を見て

「あれって…ティッシュのカスみたいですよね…」

と女性ならではの卓見を吐くので

「そうそう!あの部分がちょうど残りやすいんだよね!」

僕は膝を叩いて喜んだのだが

「やめてくださいよ!生々しい!」

逆に嫌がられてしまった。

その後ちあきちゃん達は境内に奉ってある、
まるでミサイルのような男根群にまたがったり
触ったりして子孫繁栄を願う。


その他、印象に残った光景をいくつか…。

この日のTシャツ大賞。
「巨根」(I'm Huge In Japan)というTシャツを堂々と着ていた外人さん。今日着ずにいつ着るんだ、みたいな。思わず一緒に写真を撮ってもらった僕はアキバ系。

マラの形をした徳利から出てくる「白濁」酒を振舞ってもらえた。細部にまで凝っているというか…。

焼酎「金玉」と銘酒「万古」
読み方は「きんぎょく」と「ばんこ」念の為。
初代インカ皇帝マンコ=カバックもびっくりな名前

「子供が出来ますように」という真面目な願い事ばかりの中で、いかがわしい絵馬を発見。

頭がマラになったマラギャル。

外国人用に英語の看板。ペニス・プッシー600円。そういう飴細工が売っていたのである。


かなまら祭りを充分に楽しんで、ちあきちゃんとフジモリ氏を別れ、
家に着いた僕と嫁。もっとも嫁は

「もういい。おなかいっぱい」

といった感じでゲップを出しそうな感じであったが。すまんのう。
僕に付き合わせてしまって。嫁にとってはこの祭り、あまり
求めるものは無かったかもしれない。

しかし僕はと言えば、「夫婦和合」の願いがある。現在は嫁の安定期前
なので「和合」は自粛しているが、今日のかなまら祭りの勢いを借り、

「嫁よ、あとどれくらいで解禁だろうか」

と迫ってみたところ

「まだだめ!あと1週間!」

ということで、まだまだ我慢は続きそうであった。

もーいーかい。
まーらだよ。

(しまった。去年と同じオチだ)
.

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