狸オヤジ寝入り。

電車の中で簡単に眠りに落ちる。

ふと目を覚ましたときの僕は、頭はがくんと垂れ、腰は思い切り沈み、
座席の上にふんぞり返り、大股開きでいた。

ああ、なんというみっともない姿をしているのだ。
駅のポスターにも書いてあるだろう。
やめよう!迷惑行為!まったくもって怪しからん。

残った眠気と仕事の疲労と、嫌な事があったことの鬱とで
体だけでなく心もドロドロに濁っており、もう死んでしまってもいいや
とさえ思えてくる。

とりあえず姿勢を立て直そうと頭と腰を上げたら、僕の正面には
制服姿の女子高生がいた。

腰は思い切り沈み、座席の上にふんぞり返り、
足は大股開きで…まるで僕と同じ格好ではないか。

やめよう!迷惑行為!まったくもって怪しか…ら…ん?
スカートの奥に桃色の…何かが…見え…

明日も生きてみようと思った。
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