穴たとわたし。

煙草で網戸に穴を開けてしまったのを嫁に言えず、
黙っていたがあっさりばれてしまった。そらばれるわ。

「なんでこんなことするのよ!」

「寝起きでぼけーっと窓際で煙草を吸ってたら、いつの間にか」

「どこから蚊が入ってくるか不思議だったのよ!
 まったくこんなところからもう…」

嫁がプンスカ怒ってしまったので、ここはひとつおどけて見せて
和ませようと思った。

「ふふ、僕の処女破りの血が騒いだのさ。つい破っちゃったのさ」

「何でもかんでも穴開けりゃいいってもんじゃないわよ!」

火に油を注いでしまった。

嫁がすぐにテープで塞いだ。最初からそれをやっとけばよかったのだ。
その応急処置を見ながら

「むう。処女膜再生の術」

と唸ることしか出来ない僕はつくづく無能だと思った。

網戸の件を含め、僕の悪さは絶対嫁にばれてしまう。嫁の勘は怖い。
網戸恢恢疎にして漏らさず。
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