雨降って父固まる。

この土日はずっと雨だった。嫁と娘・R(1才)で遊びに
行く予定があったのだが、Rが濡れて風邪でもひいたら
いけないということで中止。

1日中家にいるのも暇なので、せっかくだからRを相手に遊ぶか、と

「アッチョンブリケー!」

などとやっていたら意外に受けが良く、Rはケタケタと笑い
僕の体にまとわりついてじゃれつくようになった。
ああ父娘の愛が深まった、と感動せずにはいられなかった。

何故ならば、例えば僕と嫁が同じ部屋にいる場合、
Rが「遊んで〜」と寄って来るのはほとんど
嫁のほうなのである。

嫁の体にベタベタまとわりつき、キャアキャア叫んで
遊んでいる。僕の体だって空いているのに

「R、父のほうへもカモン!ばっちこい!ファックミー!」

お色気ポーズで必死に呼びかけても見向きもしない。
僕は一人寂しく

「ちっ。Rよ。三十路男の体も捨てたもんじゃないぞ。
 見てくれは悪いが一度味わったら病み付きになるぞ。
 君のお母さんだって…ウヒャヒャ。ま、まだ乳飲み子には
 分かるまいて…」

ブツブツふてくされるしかなかったのである。
しかし、雨降って地固まる。家でじゃれついてたお陰で
逆にRがベタベタしてくれるようになった。

やがてRはグズグズと眠くなった仕草を見せた。
そろそろ昼寝の時間である。実は僕も眠くなって来ていた。

横になってウトウトとしていたが、愛が深まり
「お父ちゃんかまってモード」になったRが
そうは許してくれなかった。

僕の胸をばんばん叩く。鼻を思いっきりつまむ。
おまけにすかしっ屁をかます。痛いやら臭いやら。
でもかまってもらえて嬉しいやら。

それでも眠気は強まり、僕は薄れゆく意識の中で
井伏鱒二の一節が思い浮かんだ。

鼻につまみのたとえもあるぞ。
オナラだけが人生だ。

お先におやすみサヨナラサヨナラ。zzz…。
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