肉を食わせて骨まで愛して。

雨の中、娘・R(9ヶ月)を抱いて焼肉を食いに行った。
嫁の誕生日祝いである。

店に入るとウキウキとした嫁が言った。

「ねえ、私、冷麺食べてもいい?前、雑誌にこのお店が載ってて、
 冷麺がオススメ!って書いてあったの!」

「レーメンより僕のザー…」

お下品なギャグが喉まで出掛かったが
Rの汚れなき瞳が僕を見つめていたので自粛した。

さて、カルビだのロースだの色々頼んだのだが
ハラミが出てきた時には

「触らぬ女にハラミナシ〜」

お陳腐なギャグが喉まで出掛かったが、実際とっくに
嫁を孕ませてしまった実績があるので自粛した。

タン塩が出てきた時には我慢できずに

「タン塩包茎〜」

お下劣なギャグがとうとう出てしまい、嫁には黙殺され
Rの汚れなき瞳の視線が痛かった。娘よ、こんなオヤジに
引っ掛かってはいけないよ…。

腹いっぱいになっての帰り道、嫁が

「やっぱりサンチェをお肉に巻いて食べると
 いいよね」

などと言っていた。

【サンチェ】

1.昔、巨人にいたピッチャー。

あ〜o
2.井沢が飼っていたニワトリ(オヤジ)

「いや、サンチュだからね…」

僕に指摘され嫁は恥ずかしそうだった。
しかし、後にそれの何十倍も恥ずかしいことが
僕に待っていようとは…。

家に着いてひと段落していると、嫁が僕の
恥ずかしい部分をまじまじと見つめていた。

「あなた、チャックが全開だけど、まさかお店でもずっと…?」

ギャー!恥ずかしい!もうあの店に行けないお嫁に行けない。

サンチュー丸見え…。
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