蛍の煙、窓のぞき。

僕は娘・R(10ヶ月)が産まれても家で煙草を吸うダメな
親父だったが、一念勃起いや発起し、蛍族になる決意をばした。

これでタバコを咥えながら日記を綴り、推敲することが
出来なくなってしまった。なのでぬあああ煙草が吸いたい
今後、日記の文に乱れが出ることであろう。お見苦しい箇所が
見受けられたらぬあああ煙草が吸いたいそれは禁断症状に
陥りつつキイボードを打っているものと察してぬあああ頂きたい。

「ではちょっくら行ってきますよう…」

煙草と灰皿を持って、茶の間でパソコンをやっている嫁に一声かけて
窓硝子をカラカラと開けて、ベランダにうんこ座りする。

娘のためとはいえ、我ながら何とも哀れな姿であることよ。
我が家は2階でありベランダには壁がなく、手摺りのみなので
向かいのアパートが良く見える。覗き魔と誤解されぬよう
我が家の窓を向いてタバコを吸うことにした。

カーテンの隙間からネットしている嫁の顔がちらちらと見える。
普段見慣れた嫁の姿もこうして窓越しで盗み見していると、
何やら淫靡な雰囲気が漂ってくるものだ。

へっへっへ、奥さん、ぱんつ何色〜?今朝見たから分かってるけどさ。

窓にべったりとヤモリのように張り付いても嫁は気付かない。ふふふ。
自分がまるで妖怪しょうけらになった気分だ。

せうけら
しょうけら(鳥山石燕「画図百鬼夜行」)

人の家の中を覗く、田代まさしのような妖怪しょうけら。
嫁、いい加減気付けよ、と、しょうけら行為に没頭してたら

ばたばたばたっ。

階下で音がした。振り向くと、向かいの夫婦が帰って来きたところで、
思いきり目が合ってしまった。

煙を吐いたまま固まる妖怪しょうけら。
Tシャツ+パンツいっちょう(しかもピカチュウ柄)の
あられもない姿の妖怪しょうけら。

「こ、こんばん…」

わ、と言い終わる暇もなく、夫婦はものすごい勢いでばたんと扉を閉め
家の中に入って行った。

しょうけら、チェケラされてしまった瞬間。

またあそこの御主人は変人だとか噂されるなあ。
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